2人のF1チャンピオンをそろえた今年のフェラーリだが、ここまでのところは2005年と2006年のF1チャンピオンであるフェルナンド・アロンソのほうが、2007年度チャンピオンのキミ・ライコネンに先行する形となっている。
今季のフェラーリに関しては、2人の元F1チャンピオン同士の争いにもシーズン前から大きな注目が集まっていた。だが、ライコネンのほうは公式シーズン前テストのときから、フェラーリの今季型車F14 Tのハンドリングに苦しめられていた。
そして、開幕戦に続き、先週末に行われたF1マレーシアGP(第2戦)でも、アロンソが予選、決勝ともにライコネンよりも上回った。
アロンソは、イタリアの『Tuttosport(トゥットスポルト)』に次のように語った。
「オーストラリアでもマレーシアでも勝ててよかったよ」
「チームメートよりも上にいる限りは、みんなが考えていたよりももっと頑張っているってことになるからね」
ライコネンのほうは、母国フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙に対し、現在の状況と、やはり苦戦が続き、結果としてフェラーリを離脱することになった2009年の状況を比べても意味がないと次のように語った。
「そういう比較をしたいなんてちっとも思わないよ。そうしたからって何も変わるわけじゃないでしょ」
「確かに理想的なスタートを切ることはできなかった。でも、マレーシアに向けてクルマを改善できていたし、最後はひどい形で終わることにはなったにしろ、週末をいい形で始めることができていたよ」
ケビン・マグヌッセン(マクラーレン)との接触によりマレーシアGPでのレースを棒に振ってしまったライコネンは、さらに次のように続けた。
「あの事故さえなければ、僕にはアロンソと同じことができなかっただろうという理由は見当たらないよ」
そのライコネンは、今週末に行われるF1バーレーンGPではさらにクルマの改善ができることを期待している。
「いくつか新しいパーツができてくるし、それが役に立ってくれるはずだよ。少なくとも、そういう計画になっている」
一方、ライバルであるメルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、いつかはフェラーリもレッドブルとともにメルセデスAMGを追い詰めてくるだろうと考えている。
「私は彼ら(レッドブル)彼らが技術的レベルにおいてこれほどの復活を果たしたことにすごく脅威を感じている。すごいと思うよ」
そう語ったヴォルフは、次のように付け加えた。
「それに、もちろんフェラーリも怖いよ」
その取材を行っていた記者から、最後のコメントは笑わずにうまく言えましたね、と言われたヴォルフは次のように返した。
「私はまじめに言っているんだよ」