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「かつてのF1エンジン音が戻ってくるという奇跡は起こらない」と元F1ドライバー

2014年03月26日(水)21:50 pm

今季のF1開幕戦オーストラリアGPの後、今年から導入された新しいV6ターボエンジンの音が貧弱になったとの非難の声が上がっている。これに対して、F1の最高責任者であるバーニー・エクレストンは言うに及ばず、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の会長であるジャン・トッドさえ、F1エンジン音を大きくするという動きに出そうだと報じられている。

元F1ドライバーで、現在はフランスのテレビ局で解説者を務めるフランク・モンタニーは、やはり今のF1には問題があると考えているようだ。モンタニーは、『Le Figaro(フィガロ)』に次のように語った。

「観客たちは、同じ週末に行われる(下位カテゴリーの)GP2のレースを見て、そちらのほうが音が大きいし、スピードだってそちらのほうがありそうだ感じることになる。つまり、何かが間違っているんだ」

『Telegraph(テレグラフ)』紙が報じたところによれば、エクレストン率いるF1の商業権管理会社であるフォーミュラ・ワン・マネジメントでは、「テレビ向けの音を最適化するために」、すでにコース上の「どこにマイクを設置するかという調査」を始めているという。

さらに、実際にクルマに改良を加えてエンジン音を大きくすることも可能だという意見もある。

だが、雑誌『Racecar Engineering(レースカー・エンジニアリング)』の編集者であるサム・コリンズは、それについては懐疑的だ。コリンズは、『Guardian(ガーディアン)』に次のように語っている。

「今年のエンジンは、音を大きくするための再設計は非常に難しいものになっている。なぜなら、音を低めてしまうターボが設置されているからね」

「だから、そうするためにはルールブックを完全に見直すしかないが、それには2年か3年はかかるだろうし、また巨額の資金が必要にもなる。基本的に、チームはじだんだを踏みながら「ノー」と言うだろうね」、とコリンズは付け加えた。

だが、モンタニーはこの意見に対して次のように反論した。

「私は、今シーズン中に変化があると思っている。技術的には、それほど難しいことではないよ」

「すでに、電動自動車には歩行者を事故に巻き込まないようにわざと音を出す方法なども取りいれられているしね」

「2つ目の排気管を設けるという解決策だってあるだろう。だが、奇跡などは起こらないよ」

そう語ったモンタニーは、次のように結んだ。

「今年のエンジンは1.6リッターだ。V10やV8の時代はもう終わってしまったんだ」

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