レッドブルがシーズン序盤戦で苦戦する可能性が明らかになってくる中で、パワーユニットの供給先であるルノーと決別するのではないかといううわさが出始めている。
今年ルノーは、新たに導入されることになったV6ターボエンジンのルールに苦戦しており、パワーユニットはF1開幕前テストからトラブルが多発している。チャンピオンチームのレッドブルは、3回あったテストで満足のいく走りができていない。そのため、レッドブルがルノーとの契約を解消するのではないかと考えられる。
しかし、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは6日(木)、ホンダへ乗り換えるのではないかといううわさを否定。ホンダは2015年からマクラーレンにターボエンジンを供給することが決まっている。
ルノー以外でF1に現在エンジンなどの供給を行っているメルセデスとフェラーリがライバル関係にあることを考えると、レッドブルにとってホンダを選択するのは必然だと考えられる。
しかし、ホーナーはそのような考え方を強く否定し、『Telegraph(テレグラフ)』に対して次のように語った。
「レッドブルとルノーの間には今でも固い信頼関係がある。我々は現在の契約以外考えていない」
また、ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルがほかのエンジンサプライヤーを求めているのではないかといううわさもある。しかし、ベッテルは、次のように語っている。
「僕は苦しい時に逃げ出すような人間ではない。それは仕事でもプライベートでもどちらでも言えることだ。もちろん、隣の芝生は青く見えると言いたい人もいることはわかっているけど、正直さ、誠実さ、握手を交わして誓った忠誠心を忘れてはいけない。うまくいっていない時には、特にそれが重要だ」
ベッテルはまた、すべての責任をルノーに押しつけるのは間違っていると考えている。
「誰でも過ちをおかした経験があるものだ。でも、レッドブルは過去4年間にわたってずっと成功を続けているチームであり、僕たちは今団結している」
来週末のオーストラリアGP(3月16日決勝)から今年のF1が開幕する。多くの評論家がベッテルは予選のQ1から苦戦するだろうと予想している。しかし、ベッテルは現在の段階では特に目標は持っておらず、最悪の結果も予想していないとして、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語っている。
「いったんサーキットに出たら、全力を尽くすだけだし、状況に応じて目標を調整する。チームとして戦闘力があれば、もちろんレースには勝ちたいと思う。でも、現段階でタイトルの話をしても意味がない」