2014年シーズンF1も終盤背に入ったが、統括団体FIA(国際自動車連盟)の会長選も熱気を帯びつつある。
12月の会長選には、現職のジャン・トッド、前FIA会長であるマックス・モズレーの片腕だったデビッド・ウォードがすでに名乗りをあげている。
『Telegraph(テレグラフ)』によると、ラテンアメリカ人団体に支持を強要したトッドを、ウォードが激しく非難した。
しかし、ウルグアイ出身のホルヘ・トマシはウォードの主張を一蹴している。「間違った情報を聞いたようだ。関係者の振る舞いや人間性に疑いを向けるとは不愉快だ」
F1ボスのバーニー・エクレストンは、FIA会長選から距離を置いており、シンガポールGPの現場でスイスの『SonntagsBlick(ゾンタークスブリック)』にこう話した。
「候補者はだれなんだ?」
このエクレストンの発言は恐らくとぼけただけだろう。というのも、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・ シュポルト)』 に、エクレストンはウォードの立候補についてコメントしているのだ。
「彼が立候補したことには驚いたね。だが、立候補の道は開かれてしかるべきだろう」
「立候補を考えている人たちは、ウォードが立候補できるなら自分にもできるはずだと考えるだろう。だから、最終的に何人の候補者が現れるのか見当もつかない。まだ候補を受け付けているからね」
また、F1の商業利益から数億円単位の資金をFIAに渡す内容を盛り込んだF1の新商業契約がトッドの「秘密兵器」になる可能性もある。
『Sunday Times(サンデー・タイムズ)』は、この契約が「数日」以内に締結されると報じた。シンガポールGPの週末に、F1関係者たちの間では、FIAに資金が確実に流れる「裏技」をトッドが成功させたという声もあがっていた。
しかし「これが選挙に影響を及ぼすとは思わない」とエクレストンは話している。