NEXT...F1開催スケジュール

ライコネンの素顔を友人とデザイナーが語る

2013年04月02日(火)9:08 am

トニ・ヴィランダーは、キミ・ライコネン(ロータス)と非常に親しい友人で、10歳で一緒にレースを始め、兵役にも一緒についた。2012年にはフェラーリからFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦し、GTEクラスで優勝するなど、経験あるGTレーサーだ。

「違う場所でレースしているから、あまりひん繁に会うことはないけれど、この友情は永遠だと思っている」とヴィランダーは語っている。

ヴィランダーには子どもがおり、息子のルーカスの名付け親はライコネンだ。

友人のライコネンが、2年間のブランクにもかかわらず、昨年あれほど安定感のあるシーズンを送ったことについて、ヴィランダーは驚いているのだろうか。

「昨シーズンのパフォーマンスよりも、キミがカムバックしたことにびっくりしたよ」とヴィランダーは答えた。「やめたときは、F1に心底うんざりしていて、“2度とやらない”とずっと言っていたんだ。あらゆるものから少し距離を置いて、ラリーのように何かまったく違うことをやるのはいいことだと思う。そうすると考え方が変わって、姿勢もどんどん前向きになる」

「キミはキミだ。クルマやタイヤやルールがどんなに違おうと関係ない。ほんの2、3周で、すぐにトップのドライバーの1秒以内につけてしまう。ロータスで始めたばかりのときも同じだった」

ロータスに移籍した1シーズン目は、ライコネンのマイペースぶりがそれまで以上に際立っていた。しかし、2001年以来ずっとライコネンのトレーナーを務めているマーク・アーナルは、そうしたイメージとは裏腹に、ライコネンが非常に熱心にトレーニングに取り組んでいると言い切る。

「レース中のキミはのんびりなんかしていない。戦うし、クルマが動く限り戦い抜く。それはトレーニングでも一緒だ。一緒にやり始めて以来、ずっとそうだよ。毎回110%の力を注ぎ込む。どんなプログラムでもね」

ライコネンは、トレーナーに最先端の機器を贈るほどだという。「クリスマスには、フィンランドのスント社から出た最新の心拍数モニターをくれたよ」とアーナルは明かした。

コースを走るライコネンの見た目を大きく左右するのは、長年にわたって信頼関係を築いてきた人物だ。ウッフェ・タグストロームは、レース界有数のヘルメットデザイナーで、カート時代からライコネンのヘルメットをデザインしてきた。

ライコネンは、デザインのプロセスにもずい分かかわっているという。その芸術的センスのほうはどんなものなのだろうか。

「芸術的? あまり芸術的だとは言えないな。だが、自分の欲しいものがはっきりしていて、すごくファッションに敏感だ。まさにあの世代の人間だよ」とタグストロームは語る。

ライコネンは常に、デザインの流行を生み出してきた。「キミがヘルメットのデザインに取り入れたものが何であれ、同じアイデアがそれほどたたないうちに何らかの形で誰かのヘルメットに取り入れられているのを目にすることがある」

ライコネンは毎年ヘルメットのデザインを変えるが、自分のヘルメットは全部保管し、ヘルメットを見るだけでそのシーズンのことを思い出せるという。

「たいていシーズン前に、ヘルメットに何を入れるかキミが手がかりをくれる」とタグストロームは語る。「そのアイデアを元に私がコンピュータで違うバージョンを5つ作り、一番気に入ったものをキミが選ぶんだ」

「去年は、カーナンバーを入れたがった。以前もマクラーレン時代にカーナンバーを入れていたが、当時はヘルメットの後頭部だった。今年はカーナンバーが9から7に変わったけれど、2013年のものはそれ以外あまり変わっていない。新しいスポンサーが入っただけだ」とタグストロームは説明する。

2012年のF1モナコGPでは、1970年代のF1ドライバーであるジェームス・ハントのヘルメットを模したものを使った。ドライバーの名前が入ったそのデザインを使うことで、ライコネンはハントへの敬意を表したのだ。

「あのアイデアは何年も前からあったんだが、マクラーレンとフェラーリ在籍中には、それを使うチャンスがなかった。去年はちょうどよかったし、反応も最高だった」とタグストロームは振り返った。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック