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高まるマルシャとビアンキへの期待

2013年03月30日(土)10:35 am

グリッド最後尾が常連だったマルシャと、今年マルシャでレースドライバーにステップアップしたジュール・ビアンキに注目が集まっている。

マルシャは、いまだにF1最高責任者バーニー・エクレストンと2013年の商業的な契約を結んでいないと伝えられている。また、マルシャと後方争いをしているケーターハムとの間で合併交渉があり、結局まとまらなかったものの、実現していれば、チームが消滅していた可能性もあった。

またマルシャは、実力のあるベテランドライバーのティモ・グロックを放出して、資金でシートを獲得するペイドライバーと契約。しかし、ブラジル人ドライバーのルイス・ラジアは、スポンサーの資金が底をつき、結局開幕戦前にシートを失ってしまった。

代わりに土壇場でマルシャと契約したのが、23歳のフランス人ドライバーのビアンキだった。ビアンキは、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)会長ジャン・トッドの息子、ニコラ・トッドがマネジャーを務めており、フェラーリの育成ドライバーでもある。

マルシャは現在コスワースエンジンを使用しているが、来年からエンジン規定が大きく変わり、コスワースはF1から撤退するとみられている。マルシャは、ビアンキとフェラーリとのつながりを利用して、来年からフェラーリエンジンに変わるのではないかと言われている。

「(エンジンについては)チームに聞いてよ」とビアンキはスイスの『Motorsport Aktuell(モータースポーツ・アクチュエル)』に語っている。

「そのことについては何も知らないんだ」とビアンキは話しているが、フェラーリが「コクピットを獲得する手助けをしてくれた」と認めている。

ビアンキは、実力でもマルシャにとって希望の星となるかもしれない。2013年最初の2戦を終えて、後方争いながら、ビアンキの存在感は、10年前にミナルディで走っていた頃のフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)と同じように際立っていると見る者もいる。

これまでのところビアンキは、チームメートのマックス・チルトンより明らかに速さで勝っている。ビアンキが、チーム初のポイントを獲得する可能性も見えてきた。

28日(木)にマルシャのチームCEOアンディ・ウェブは、『Reuters(ロイター通信)』にこう語っている。「私が勝負師だったら、今シーズンはわれわれがケーターハムを倒すほうに賭けるだろう」

「それから、今シーズン、マルシャが初めてポイントを獲得することにも掛けたほうがいいとお勧めするよ」

ビアンキも、マルシャの予算は最も低いが、中団グループの後方に追いつくことも現実的な目標だと話した。

「基本的に、それだけの潜在能力はある。チームにも僕にもね」とビアンキもウェブに同意している。

「マレーシアの予選では、ウィリアムズに対してたったコンマ3秒差だった。去年を考えれば、向こうは僕たちより2秒速かったんだ。悪くないと思わない?」

ビアンキは、フェラーリのテストも経験しており、昨年はフォース・インディアから何度か金曜フリー走行に出走している。そのため、マルシャに初めて乗ったときは、がっかりするだろうと思っていたとビアンキは認めている。

ところが、実際は「驚いた」という。

「差がもっと大きいと思っていたんだ」

「この調子で続けることができれば、予選Q2進出もねらえるようになると信じているよ。さらに夢を広げれば、初のポイント獲得も、かなうかもしれない」とビアンキは語っている。

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