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小林可夢偉、2013年F1下位チーム移籍の可能性は

2012年12月18日(火)18:40 pm

ロータスへの移籍が実現しなかった小林可夢偉(ザウバー)。ほかに来季ラインアップの決まっていないチームへ移籍することも残された選択肢の1つになっている。

現段階で来季ラインアップを正式発表していないのはフォース・インディア、ケーターハム、マルシャの3チーム。HRTは、来季のエントリーをまだ提出していない。また、ケーターハムはすでにシャルル・ピック(現マルシャ)の獲得を、マルシャはティモ・グロックの残留を発表しているため、この両チームには1つしかレースシートが残っていない。

フォース・インディアはポール・ディ・レスタの残留が有力視されており、残り1つのシートを昨年まで同チームに所属したエイドリアン・スーティル、フェラーリの育成ドライバーで今季はフォース・インディアの控えドライバーを務めたジュール・ビアンキ、昨年までトロ・ロッソに所属したセバスチャン・ブエミなどが争っている。

可夢偉も候補の1人になっていたが、移籍交渉で重要になる「持参金」を集めるための募金サイト『KAMUI SUPPORT』での募金受付を終了したことから、すでにフォース・インディアとの交渉は終わっていることも予想される。フォース・インディアという選択肢がない場合、残るシートはケーターハムとマルシャということになる。

ケーターハムやマルシャに加入した場合のメリットとしては、下位チームとはいえ、同じ「F1」という舞台で戦っていることから、F1関係者へアピールしやすい点が挙げられる。また、F1関係者に「小林可夢偉」の存在を忘れさせないというメリットもある。

その反面、大きなデメリットとして、圧倒的なパフォーマンス差が存在する。ケーターハムとマルシャは2010年からF1参戦を開始した「新規参戦組」であり、いまだポイント獲得を果たせていない。新規チーム同士では激しい争いを繰り広げているが、上位チームに比べて注目度が低いことは否定できない。

そして、可夢偉が今回シートを失った要因の1つとも言われる資金面のリスクもある。2012年シーズン開幕直前になって、ケーターハムは契約を結んでいたヤルノ・トゥルーリを放出し、母国ロシアから強力な支援を得ているビタリー・ペトロフを起用した。

また、2010年にはHRTがシーズン中に何度もドライバーを交代させた。これには、スポンサー資金に関するトラブルが背景にあったと言われている。資金力に乏しい下位チームの場合、こういったトラブルが起こる可能性は上位チームよりも大きく、仮に可夢偉がシートを獲得しても、可夢偉のシートを資金力のあるドライバーが「買い取る」という事態が起きないとも言い切れない。

さらに、近年のF1で下位チームへ移籍してから、上位チームへ返り咲いたドライバーがいないという事実もある。2009年には当時の下位チームであるフォース・インディアに所属していたジャンカルロ・フィジケラがシーズン中にフェラーリへ移籍しているが、これにはフェリペ・マッサ(フェラーリ)が負傷したためシーズン途中から欠場したことなど、特殊な事情が背景にあった。

可夢偉本人も、これまで各メディアなどのインタビューで下位チームへ移籍する意志がないと語ってきた。しかし、上位チームでレースシートを獲得できなくなった今、可夢偉がどんな決断を下すのか注目される。

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