先週末の2012年F1第19戦アメリカGP(11月18日決勝)で新型オルタネーターを使用したと思われていたレッドブルだが、その後、実は投入をしていなかったことが判明した。
ルノーのエンジンには、イタリアのマニエッティ・マレリ社製のオルタネーターが装着されている。しかし、今季はこれがトラブル続きだ。アメリカGP決勝でもオルタネーターに起因するトラブルでマーク・ウェバー(レッドブル)がリタイアしており、チーム関係者は怒り心頭だ。
マシンの設計責任者であるエイドリアン・ニューイなどは、オルタネーターを“破裂寸前の時限爆弾”と酷評していた。
ニューイは次のように語っている。「あのオルタネーターは2005年からルノー・エンジンに積まれていて、同じく2005年から壊れまくっている」
今週末はタイトルが掛った、大事な最終戦F1ブラジルGP。ところがルノーがとった対策は、あっさりしたものだった。
ルノーで実働部隊の責任者レミ・タフィンはこう語った。「われわれは新しいスペックで行くよ。すべての試験を通過しているから心配ない」
確かにF1アメリカGPの前に耐久試験を通過し、ほかのルノー・エンジンを搭載するチーム(ウィリアムズ、ロータス、ケーターハム)は、新しい改良型のオルタネーターを使い始めた。
ではなぜ、レッドブルはアメリカGPで新型を使わなかったのだろうかと疑問が残る。
オーストラリアの日刊紙『Sydney Morning Herald(シドニー・モーニング・ヘラルド)』でタフィンは、次のように答える。「彼らも人の子さ。きっと思うところがあったのだろう」
「例えば、あなたが店に入るとしよう。二種類の商品があって、頭ではこっちの品物が得と分かっていても、気持ちでもう一方の品を選んでしまうことがあるだろう? それと同じさ」