先週オースティン(F1アメリカGP開催地)で催された、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)のお別れ会に、マクラーレン・グループ会長のロン・デニスは出席しなかった。さらに、デニスは手塩にかけて育てたハミルトンのマクラーレン最後のレースとなるF1ブラジルGP(11月25日決勝)にも姿を現さないようだ。
ハミルトンは少年時代からデニスに目を掛けられ、レーシングドライバーとしてのキャリアをマクラーレンと共に歩んできた。そして、2007年にマクラーレンからF1デビューを果たすと、いきなりドライバーズタイトル争いを演じ、翌2008年にはF1王者となった。そのハミルトンは今シーズン限りでマクラーレンを去り、来シーズンからはメルセデスAMGヘと移籍する決断を下した。これによってデニスとの間に亀裂が生じ、その溝が埋まらないまま、ハミルトンはチームを去ることになると報じられている。
『Daily Mail(デイリー・メール)』の記者であるジョナサン・マクエボイは、「デニスは、チームの報道担当者が言うところの、“エクソン・モービル社の重役たちが主催する大切なカクテルパーティーに特別ゲストとして出席すること”を選んだのだと主張している」と、先週のオースティンでのお別れ会を引き合いに出している。
しかし、ハミルトンがアメリカGPで見事な優勝を飾ったにもかかわらず、デニスはマクラーレンのチームカラーである「ロケット・レッド」の優勝Tシャツに袖を通すことを拒んでいたという。
そしてマクエボイはデニスが「ハミルトンのマクラーレンで最後のレースのために、サンパウロ(ブラジルGP開催地)へは行かないと決心している」と書いている。
デニスは先週オースティンで「メディアがルイスと私の間にいくつかの問題があると考えていることは明らかだ。われわれの間に問題など一切存在しないがね」と不仲を否定している。
「ときには関係を取り巻く状況がバランスを保てずに、合致しないこともある」とデニスはイギリスの『Sky(スカイ)』局に対して見解を述べている。
だが、2013年とそれ以降の契約交渉をめぐって、ハミルトンとデニスは激しく対立したといううわさもある。
匿名の上級役職員は『Daily Mail(デイリー・メール)』に、「私は何が起こったのかを知っている」と打ち明けている。
「誰しも間違いを犯すものだ。そしてロンも間違いを犯した。何もかもがうまく行かなかった。そして、これ以上のことは話せない」
これに対しマクラーレンの報道担当者は「彼らが最近何度も口にしているように、ロンとルイスは近い将来、社交の場で同席する予定だ」と語った。