フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は今なお2012年のF1王者に輝く可能性がある。こう語るのは1996年のF1王者デーモン・ヒルだ。
最終戦ブラジルGP(25日決勝)においてセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が直面する最大の敵はアロンソだとするヒルは、ドイツ紙『Die Welt(ディー・ヴェルト)』に対して次のようなコメントを残している。
「ほかのドライバーがライバルだったとしたら、セバスチャンは13ポイントというアドバンテージによってタイトルを獲得すると言い切れる」
「しかしフェルナンド・アロンソのようなドライバーを甘く見てはいけない。彼は非常に聡明(そうめい)である上にタフなんだ。大変なことを難なくこなしているように思える」
「ブラジルではすべてが起こり得る」
しかしフェラーリファンを読者層とするイタリア紙『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、ブラジルGPでアロンソが優勝する可能性は20パーセントに過ぎないとした。
これにはヒルも同意しており、「彼(ベッテル)にはアドバンテージがある。それは疑いようもない」とした上で「パーセンテージで言うのであれば、ベッテル(のタイトル)が65パーセントかな」と続けた。
また、ベッテルが3年連続F1王者に輝くこととなれば、まだまだミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)の通算7度のタイトル獲得という記録には及ばずとも、シューマッハが成し遂げたこの偉業を霞(かす)ませるかもしれないとヒルは考えているようだ。
「いつの日か彼は達成するだろう」と前置きをしつつ、ヒルは以下のように述べた。
「もちろん、長い道のりではある。しかし彼は間違いなくその域に到達する」
「もしもブラジルで勝つことになれば、最低でもあと2回はF1チャンピオンに輝くだろうね」
ザウバーの元ドライバーであるカール・ベンドリンガーは、オーストリアのメディア『Servus TV(セアヴスTV)』に対して、ブラジルがドライコンディションであり、また信頼性の問題がなければ、ベッテルが楽々とアロンソの前でゴールするだろうと語った。
よって最終戦を前にF1界が注目しているのは、オルタネーター(発電などを行うパーツ)問題の解決へと向けたレッドブルとルノーの最後の努力と、予選と決勝を通じて雨の予報となっているサンパウロの気候である。
タイトル獲得目前となったベッテルは、次のように語る。
「レースで勝ちたい」
「それが無理だとしても、2位か3位には入りたい」
ベッテルが4位以上でゴールした場合、アロンソの結果に関係なくベッテルのF1チャンピオンが決定する。