2012年のF1チャンピオンは、25日(日)に決勝が行われる最終戦ブラジルGPで決まることになった。
F1第19戦アメリカGP(11月18日決勝)で、ランキング1位のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は2位に終わったが、ランキング2位のフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)に対して少しリードを広げ、最終戦のみを残して13ポイント差にした。
「今日で、少し良くなったように見えるね」とベッテルはレース後に語った。「あとはブラジルでもう1歩前進しなければ」
アメリカGPでレッドブルは、チーム別のコンストラクターズ選手権で3年連続のワールドチャンピオンを決めた。しかし、優勝したルイス・ハミルトン(マクラーレン)にベッテルが敗れたことはチームも喜んでいない。
ベッテルは、決勝でDRSゾーン(決勝で可変リアウイングであるDRSを使える区間)でハミルトンに抜かれたが、その前に数コーナーにわたって周回遅れのナレイン・カーティケヤン(HRT)に抑えられたことに腹を立て、無線で不満を訴えていた。
「あれは君の責任じゃない」とチーム代表のクリスチャン・ホーナーはレース終了後にベッテルに声を掛けた。
「これから忙しい1週間が待っている」とホーナーはイギリスのテレビ局『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』に語っている。
数字上は、ベッテルが非常に有利な状況だ。アロンソがブラジルGPで優勝しても、ベッテルは4位に入ればチャンピオンを獲得することができる。
しかし、ブラジルGPの天気が長期予報で雨となっていることもあり、アロンソはまだ諦めていない。アメリカGPで7番手グリッドからスタートしたアロンソは、3位フィニッシュを果たして望みをつないだ。
「シーズン通して素晴らしかったね」と1978年のF1チャンピオンでアメリカの伝説的ドライバーであるマリオ・アンドレッティはアメリカGPの表彰台インタビューでアロンソを称えた。「それに、当然最後まで戦い抜くんだろうね」
また、マシンの信頼性が決め手になる可能性もある。アメリカGPでは、ベッテルのチームメートであるマーク・ウェバーがオルタネーター(発電などを行うパーツ)の不具合でリタイアしている。今シーズンはベッテルが2回、同じトラブルでリタイアしたが、エンジン供給元のルノーは、このレースから新型のオルタネーターを導入していた。
「まったくその通りだ。その点(信頼性)は非常に弱い」とレッドブルの最高技術責任者エイドリアン・ニューイもレース後に認めている。「ルノーはその問題に関してきちんとした解決方法をまだ見つけられていない」