ウィリアムズでF1初テストを行った女性ドライバーのスージー・ヴォルフは、次のステップですぐにF1のグリッドに並べるとは思っていないと語った。
ヴォルフは29歳で、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に参戦しながら、ウィリアムズの開発ドライバーを務めている。ウィリアムズの役員トト・ヴォルフは夫である。17日(水)にシルバーストン・サーキットでウィリアムズのスポンサー向けイベントが行われ、ヴォルフはぬれた路面の中、昨年のマシンで初めてF1のテスト走行を行った。
マルシャの女性テストドライバーのマリア・デ・ビロタがテスト中の事故で片目を失う重傷を負ったあとだけに、ヴォルフにとっても感動的な瞬間だったようだ。
しかしヴォルフは、単なる「ショー・ラン」ではないと主張している。
「宣伝のために、ショー・ランで誰かをクルマに乗せるようなことをウィリアムズは絶対にしない」とヴォルフが語ったことを『Scottish Sun(スコティッシュ・サン)』が伝えた。
「この日、成功させなければならないとチームは強く意識していた。私も、もっと機会がほしかったら、うまくやらなきゃいけないということはよく分かっていたわ」
しかし、女性ドライバーにとってF1マシンのテスト走行を行うのは非常にまれなことだ。過去10年間にF1のテスト走行を行ったの、はヴォルフ以外にたった3人で、そのうちの1人がケガを負ったデ・ビロタである。
ヴォルフは現実的だ。「来年F1グリッドにいるとは言わない。夢を見たり、歩くこともできないのに走り始めたりもしない」
「これは、正しい方向へのとても大事な一歩。もっとできるようになる方向へ進んでいることを願っているわ」
「今の段階で、自分がこのチームの手助けになれると証明するだけのことができているといいんだけど。もっとテストができるといいわね」とヴォルフは語っている。