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【映画】『最強のふたり』作品紹介

2012年08月14日(火)18:52 pm

事故で首から下が麻痺(まひ)してしまった大富豪フィリップと、不採用の証明書をもらって失業手当を受け取るためにフィリップの介護役へ応募した黒人青年ドリス。この2人が衝突しながら「最強の友情」を育(はぐく)んでいく、笑って泣ける感動の実話を描いた『最強のふたり』の公開が決まった。

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<ストーリー>
ずっと温め続けてきた、感銘を受けたドキュメンタリー作品
2003年、オリヴィエ・ナカシュとエリック・トレダノのふたりの監督は、あるドキュメンタリーを見て感銘を受けた。パラグライダーの事故にあって頸髄損傷になったフィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴと、彼を介護するために雇われた若者アブデル(本作ではドリスという名前になった)を描いた作品だ。

フランスの貴族家系の生まれで、有数のシャンパン製造会社の重役、妻とふたりの子供に恵まれ、美術品の収集家でもあるという完ぺきな人生を送っていたフィリップが、事故で動けなくなり、3年後には妻を敗血症で失う。立て続けにふたつもこんな不幸が起きたら、多くの人は立ち直れないだろう。しかし、予想もしなかった出会いがすべてを変えた。物騒な公営住宅出身のアブデルは、粗野な若者だったが、何よりも生きたいという気持ちを彼に取り戻させることができる男だったのだ─。

ナカシュとトレダノは、その時はまだこのような話を映画化できるほど、自分たちが監督として成熟していないと思っていた。だが、そのドキュメンタリーのことはいつも頭に残っていて、その後も何度も見直していた。そしてついに、この話に取り組む時が来たと感じたふたりは、映画化に乗り出す決意をする。

モロッコでの感動的な出会いから生まれた、真実の脚本
脚本に取り掛かる前に、モロッコのエッサウィラに住むフィリップに会いたいと考えたナカシュとトレダノが、彼の著書『Le Second Souffle(原題)』の最後に載っていたEメールアドレスに連絡をすると、映画化の話は初めてではなく、すでにいくつかの脚本を読んでいるが、喜んで会おうという返事が来た。

「もし、僕が障がいを負わなければ、アブデルに出会うこともなかったし、今こうやってあなたたちと話してもいないだろう」。ふたりの監督と初めて会った時、フィリップはそう言った。彼らはこの言葉を聞いて、この実に珍しい本当の物語を自分たちの4作目の映画にしようと決めた。

フィリップは、ふたりの監督に、ドキュメンタリーで描かれていなかった物語の結末を教えた。そして、「映画化するなら、コミカルに描いてほしい。この話はユーモアを込めてこそ、真実に近づくんだ」と頼み、「アブデルと会わなかったら、私は死んでいただろう」と付け加えた。

直接会って話したおかげで、フィリップはふたりの監督がどんな人間かを理解し、彼らの脚本と監督で映画化することを快諾した。ふたりはフィリップに脚本にすべて目を通してもらいたいと頼んだ。フィリップは肉体的に不可能な行動が書かれていたら、それを指摘した。おかげで物語にリアルさが増し、それは時にはふたりの監督が書いた脚本よりも、ずっとおバカでコミカルな現実でもあった。

さまざまなアプローチで完ぺきな役作りに挑んだ、ふたりの俳優
最初からナカシュとトレダノは、タッグを組むのは今回で3度目となるオマール・シーをドリス役に決めていた。フィリップ役には、オマールと年齢の開きのある実力派の俳優を探していた。脚本を読んで感動したフランソワ・クリュゼからアプローチがあり、ふたりの監督はフランソワの「この状況をただ演じるだけではなく経験したい」という言葉に心を動かされ、彼をフィリップ役に決定した。

ふたりの監督は、フランソワとオマールを伴って、再びエッサウィラにフィリップを訪ねた。フランソワは、フィリップがどんなふうに生活し、動き、しゃべるかを観察して、役作りのヒントをつかみ、「フィリップに会って感銘を受け、自分の演じる役に感情移入することができた」と語っている。

帰国したフランソワは、撮影の行われるはるか前から役作りに取り組んだ。この役では、俳優は体を動かさずに演じ、自己を捨てることを要求される。いざセットに入ると、フランソワは、ふたりの監督に約束したとおり、天性の感受性と厳格さで、この難題をこなした。

フィリップと同じく、ドリスを演じる俳優にも、即座に観客を説得させる演技力が必要だった。オマールは率先して10キロ減量し、ふたりの監督に頼まれなくても、筋肉を鍛えた。なぜなら、スラムに住んでいる男は、実生活の自分よりやせているだろうと考えたからだ。オマールが頭の毛をそり、パーカーと革ジャン姿で現れたのを見て、ふたりの監督はそこまで役作りをしてきたことに本当に驚かされたという。

パリ郊外のスラムと高級住宅地を行き来したロケ
撮影の大半は、パリ郊外のスラム街で始まり、高級地区の豪華な住宅で終わるという、実に特別な日々だった。その状況が、完ぺきに本作を象徴している。スラム街に一歩踏み入ると、瞬時にその光景に驚かされるが、撮影隊は作品のテーマから焦点がズレないように気を付けたという。特に冒頭の数分間は、スラム街を映し出すのではなく、ドリスの出身地を説明し、それを通してサン・ジェルマン・デ・プレにあるフィリップの豪邸とのコントラストを際立たせたいと考えた。

さらに、オマールの存在感によって、それをリアルに感じさせることができた。彼はドリスと同じように、トラップのスラム出身で、まだスクリーンで見せたことのない新たな一面を披露しただけでなく、撮影中にこの街の描き方が正しいかどうかも指摘し、情景をよりリアルに、そして豊かにすることに一役買った。

完成した映画を観た『最強のふたり』のそれぞれの反応
映画が完成し、フィリップが先に作品を見た。エッサウィラで借りられる劇場がなかったので、フィリップ邸のプールの裏にある壁で、屋外上映をすることになった。彼の友人30人くらいが集まり、犬の鳴き声やコオロギの声を背景に上映を開始した。

フィリップのいすが動いているのを見たナカシュとトレダノは、彼が笑っているのだと思った。ところが、映画が終わると、彼は目に涙を浮かべていた。そして、「こんな状態になって、私は何年も前に鏡を見るのをやめた。久しぶりに自分の瞳を見たよ」と語った。フランソワにとって、これ以上考えられない褒め言葉だった。

その後、フィリップはパリのシャンゼリゼでの試写会にもやって来て、奥さんと一緒にもう一度作品を見た。その時は、観客の反応に刺激されて、さらに感情が高ぶっていた。上映が終わると、彼は「私は両手で拍手しているんだ!」とほほ笑んだ。

そのパリの試写会で、アブデルは初めて作品を見た。ふたりの監督は、「ふたりが一緒にいて、フィリップが風邪をひかないようにアブデルが自分のショールをかけてあげるのを見たときは、ジーンと来た」と振り返る。上映が終わってアブデルが最初に言ったのは、「おれが黒人になってるよ!」というまさにアブデルらしいユーモアのある一言。アブデルは監督たちに、もっと深く掘り下げても良かったんだよと優しく言ったという。彼らにとって、フィリップとアブデルの物語である以上、ふたりを落胆させないことがとても重要だったので、大きく安堵(あんど)したという。

■スタッフ
脚本/監督:エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ
撮影:マチュー・ヴァドピエ
音楽:ルドヴィコ・エイナウデ
編集:ドリアン・リガール=アンスー
プロデューサー:ニコラ・デュヴァル・アダソフスキ、ヤン・ゼヌー、ローラン・ゼトゥンヌ

■キャスト
フランソワ・クリュゼ
オマール・シー
アンヌ・ル・ニ
オドレイ・フルーロ
クロティルド・モレ

後援:フランス大使館
協力:ユニフランス・フィルムズ
提供:ギャガ、WOWOW
配給:ギャガ

2011年/フランス/113分/35mm/カラー/ビスタ/ドルビーデジタル、ドルビーSR/翻訳:加藤リツ子

(C) 2011 SPLENDIDO / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / TEN FILMS / CHAOCORP
saikyo-2.gaga.ne.jp

9月1日(土) TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、新宿武蔵野館他 全国順次公開

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