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FIA、マリア・デ・ビロタの事故に言及

2012年07月09日(月)10:22 am

F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)で、レースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングが、3日(火)に起きたマルシャのテストドライバー、マリア・デ・ビロタの事故について、「天文学的な確率といえる非常に珍しいアクシデント」と述べた。イギリスGPの舞台シルバーストンで、スペインのスポーツ紙『Marca(マルカ)』に語ったものだ。

「運が悪かったとしかいいようがない事故だよ」とコメントするホワイティングは、F1競技運営のトップとしてFIAからすべてのグランプリに派遣され、レースディレクターの肩書きでスタート進行をはじめとする全体の指揮を執るほか、技術面や安全面の責任を負っている。

今回の事故については、F1参戦に必要なスーパーライセンスも持たない未経験者を高速の今季型F1マシンに乗せたマルシャの責任を問う声もある。

荷台のリフトをヘルメットの高さまで上げたまま、トラックをコースのすぐ脇に停めていた事実もあることから、業務上の過失を疑われても仕方がない。

「2009年ハンガリーGPでフェリペ・マッサ(フェラーリ)に起きたアクシデントが100万分の1の確率だとしたら、マリア(デ・ビロタ)は500万分の1ぐらいだよ」

「まったくあり得ない状況だ。いん石に当たったような運のなさだね」

デ・ビロタの事故とは別に、かねてからFIAはドライバーの頭部を危険から守る、より良い方法を講じていたところだとホワイティングは明かした。

「現在、研究中の安全策があれば、同様のアクシデントはまず起きないだろう。もっとも、あのような状況が再び繰り返されるとは思えない」

「われわれがもっか注目しているのは、ホイール(車輪)がドライバーに当たったときの衝撃だ。こうしたケースは年に何度かあるのでね。マリアのような事故は、二度と繰り返されないと思う」

頭部保護の研究についてホワイティングは、次のように続ける。「なるべく急いではいるんだけどね。なにせ物ごとが非常に複雑なんだ」

「仮にマリアの事故が再び起きたら(研究中の頭部保護策は)機能するだろうが、その他いろいろな場面で、かえって悪い状況を引き出しかねない。例えばドライバーの救助が難しくなったり、ドライブ中の視認性が劣ったりとかね」

「ある種の事故により有効でも、異なる三種類の事故でさらに悪い結果を呼び込むようなことはしたくない」

ドイツ紙『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』は、イギリスGP中、マルシャのチームスタッフに事故のかん口令が敷かれたと報じた。

ペーター・ザウバー(ザウバー)は次のように話している。「事故について得た情報はあなた方と同じだよ。もしかしたら、それ以下かもしれない」

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