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暗礁に乗り上げそうなF1のコスト削減計画

2012年06月30日(土)10:16 am

F1における大幅なコスト削減が実施されるかどうかは予断を許さない状況となっている。F1を統括するFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長は、カスタマーエンジン購入制度の導入なども含めた2013年度以降のコスト削減案について6月いっぱいまでに採決を行わなくてはならないという期限を設けたものの、F1チームがまだためらいをみせているためだ。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、コスト削減規則案が世界モータースポーツ評議会(FIAの下部組織。モータースポーツに関する意志決定機関)に預けられたまま、十分な修正を加えられないまま期限の6月30日(土)を過ぎてしまう懸念があると報じている。

期限となっている30日を過ぎてしまえば、2013年度のルールは各F1チームが完全に合意するという実際にはありえないと考えられることが起こった場合にのみ、改正が可能なものとなる。

先週末ヨーロッパGPが開催されたバレンシアでは、トッドやF1最高責任者のバーニー・エクレストンも参加し、熱のこもった議論が繰り広げられた。だが、合意が必要とされる多くの部分について、まだ決着していないのが現実だ。

ジャーナリストのミハエル・シュミットは次のように述べている。

「少なくとも12チーム中7チームは、例えばもしスポンサーを失うようなことにでもなれば、かなり微妙な立場に置かれるだろう」

「このような環境下にあるにもかかわらず、FIAの競技規則にコスト制限を盛り込むことがまだ論争のタネになるというのはなんとも不思議なことだ」

最近ウィリアムズF1チーム内で影響力を増しつつあるトト・ヴォルフ(非常勤役員)は、現在のRRA(F1チームによって組織されたFOTAで採択されたリソース制限協定)を無視しているチームがいくつかあるとのうわさを踏まえ、コストに関するルールを破る者を監視し、取り締まることを求めている。

「(違反を)抑制するためには明確な罰則を設けることが必要だ」というのがヴォルフの意見だ。

だが、そのヴォルフのボスであるフランク・ウィリアムズ(ウィリアムズ/チーム代表)は、今週インタビューに答え、自分自身は「どのような形の干渉にも反対だ」とし、次のように述べていた。

「自分たちの仕事について第三者の干渉は受けたくないね。誰かが後ろのほうでコソコソしながらこれもあれも調べようとするなんてゴメンだよ」

「毎日、税務監査員が来るのを待つようなものじゃないか」

このウィリアムズ代表のインタビューは当初F1公式サイトに掲載されていたが、今ではすでに削除されている。

さらに、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ロータスとフォース・インディアは、ほぼ間違いなくコスト削減を歓迎すべきチームであるにもかかわらず、風洞テストの許容時間をさらに削減することに対しては反対の立場をとっているとも伝えている。

そして、中団グループに位置するチームにとってもっとも懸念材料となっているのが、2014年から導入予定のV6エンジン購入費用だろう。

トッドは「(新エンジンが)入手可能な金額にとどめることを私が保証する」と語ったとされている。だが、F1エンジン供給メーカーたちによって密室で見積もられた価格は、とてもそのレベルに収まるものにはなっていないようだ。

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