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ウィリアムズ「歴史的な勝利に貢献できたことに非常に満足」=ル・マン24時間

2012年06月19日(火)15:38 pm

ウィリアムズF1チームの関連企業であるウィリアムズ・ハイブリッド・パワー社製の革新的な電気式フライホイール技術(※)を搭載したアウディのR18 eトロン・クワトロが第80回を迎えたル・マン24時間レースにおいてハイブリッド方式のレースカーによる初めての優勝を飾り、モータースポーツの歴史に新たな1ページを刻んだ。

1923年にフランスのル・マン市にあるサルテ・サーキットで初めて開催されたル・マン24時間レースは世界でも最も古く、またもっとも過酷な耐久レースとして知られている。今年のレースにはアウディに加え、トヨタもハイブリッド車であるTS030 HYBRIDを投入するなど、ハイブリッド車による戦いについても注目を集めていたが、結局ウィリアムズ・ハイブリッド・パワー社のハイブリッドシステムを搭載したアウディの1号車と2号車が見事に1-2フィニッシュを飾っている。

2台のアウディ R18 eトロン・クワトロは、16日(土)の夕刻に1度だけトヨタの7号車に数ラップにわたって首位を奪われたものの、それ以外はレース開始からゴールに至るまで圧倒的な強さでレースを支配した。この2台のハイブリッド方式のアウディ同士による接近戦は夜通し続けられ、何度もトップが入れ替わったが、最終的にはマルセル・ファスラー、アンドレ・ロッテラー、ブノワ・トレルイエがドライブした1号車が優勝を果たしている。

ウィリアムズ・ハイブリッド・パワー社ではアウディ R18 eトロン・クワトロのために全く新しい超軽量型の電気式フライホイールを設計し、アウディのエンジニアと密接に協働しながらクルマとの一体化を進めてきていた。ウィリアムズ・ハイブリッド・パワー社製のシステムは、バッテリー方式やウルトラキャパシタ(二層式コンデンサ)方式、機械式フライホイール方式などといった他の技術との比較において、その特性が最も耐久レースに適していたことが、アウディが同社のシステムを導入する決め手となっていた。

アウディのモータースポーツ部門責任者であるウォルフガング・ウルリッヒは次のように述べている。

「アウディにとって歴史的勝利であることは疑う余地がない。われわれはル・マンにおいて直噴ターボのガソリンエンジンで初めて勝利しているし、ディーゼルエンジンでも最初に成功を収めている。そして、今回またハイブリッド車で初めての勝利を飾ることができたのは素晴らしい結果だ。さらには、前述の2つの技術と同様に初めてのレースで勝利できただけでなく、2台のR18 eトロン・クワトロが1、2位を独占できたのだからね」

また、ウィリアムズ・ハイブリッド・パワー社のマネジングディレクターであるイアン・フォーリーは次のようにコメントしている。

「アウディのル・マンにおける伝統を考えれば、このプロジェクトを成功させなくてはというプレッシャーがあったが、われわれの技術がこの歴史的な勝利に貢献できたことに非常に満足している」

「われわれのフライホイール技術はモータースポーツへの供給のために始められたものだ。その後ほかにもさまざまな用途で採用されているが、モータースポーツは常にわれわれの心の中にあったし、われわれの技術を証明するための最高の舞台だ。この革新的なハイブリッドシステムが環境に優しいというだけでなく、(燃料の)高圧噴射と燃料節約に関する部分でレースカーの基本的な能力の底上げが可能なこと示せたものと期待している」

※トヨタなどが採用しているバッテリー方式ハイブリッドはブレーキ時に熱として無駄に放出されていた運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、それをバッテリーに蓄積しておいて必要なときにそれでモーターを駆動させる方式であるのに対し、電気式フライホイールとは、電気エネルギーをバッテリーの代わりにフライホイール(はずみぐるま)を回転させることで運動エネルギーとして蓄積しておく方式。

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