今シーズンのミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)が、通算8度目のタイトルを狙える位置につけていたかもしれないとの興味深い分析が話題になっている。
今年、F1復帰後3シーズン目を送っているシューマッハのカーナンバーはラッキー7である。しかし、幸運をもたらすどころか、今年が現役最後の年になるとささやかれているシューマッハに与えているのは今のところ試練ばかりだと『Bild(ビルト)』紙は報じた。
「おかしなシーズン」とシューマッハは認める。
「まだ2ポイントしか獲得できていないけれど、メルセデスAMGでのベストシーズンを送っている」
一方で、『Bild(ビルト)』紙は興味深い分析結果を紹介。それによると、6戦が終了した時点でシューマッハが2012年のタイトル争いをリードしていたかもしれないのだ。
その分析によると、シューマッハは開幕戦のオーストラリアGPではギアボックスのトラブルに見舞われリタイアして15ポイントを失い、第2戦のマレーシアGPではロメ・グロジャン(ロータス)との接触で大きく順位を落として11ポイントを失ったことになる。
さらに、第3戦の中国GPにおいては2番手からスタートしたにもかかわらず、ピットストップでタイヤ交換をした際にタイヤの装着が不十分だったため、クルマを止めなければならず、無念のリタイアとなり18ポイントを損失。第4戦のバーレーンGPではDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)に問題を抱えており7ポイント、そして第5戦のスペインGPではブルーノ・セナ(ウィリアムズ)とのクラッシュで4ポイントをそれぞれ失った計算になる。
第6戦のモナコの予選では2,000日ぶりのトップタイムを記録するも、前戦でセナに追突したペナルティーとして5グリッド降格が課された。決勝でも燃圧の問題が発生してリタイアに終わっている。
モナコでは復帰後の初優勝と同時に25ポイントも失ったと『Bild(ビルト)』紙は報道した。
「おもしろい計算だね」と分析に対してシューマッハはコメントし、こう続けた。
「現実主義者だから、もう今年のタイトルを争えないことは分かっている。でもレースで優勝することはまだあきらめていない」
シューマッハと1997年のタイトルを争い、カナダGPではイギリスのテレビに解説者として出演したジャック・ビルヌーブは、かつてのライバルの走りに感銘を受けていることを認めた。
「たとえどんな不運が続いても、ミハエル(・シューマッハ)は常に立ち向かう。その姿勢が素晴らしい」