ケーターハムのビタリー・ペトロフが、「ペイドライバー」というレッテルをはられていることに反論。現役ドライバー中最高額の報酬を得ているフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)でさえ自分と同様の境遇だと主張して物議を醸している。
ロシア人のペトロフは、昨年末にロータスから放出されたが、2012年はケーターハムのシートを獲得した。母国ロシアのスポンサーによる豊富な資金で「シートを買った」に等しいと見られている。これによって、伝統あるモナコGP優勝の経験もあるベテランドライバー、ヤルノ・トゥルーリが追い出される格好となり、F1からイタリア人ドライバーが姿を消すことになった。実績あるベテランが、実力ではなく資金力が原因で追い出される事態を憂う声は多い。
F1では、ペイドライバーと呼ばれる資金力によってシートを獲得するドライバーが以前からいたが、近年は世界的な不況の影響からペイドライバーが増加傾向にある。そんな中、ペトロフはすでに今季の契約をチームと結んでいたトゥルーリからシートを奪う形になったため、批判的な意見も多い。こうした批判に対しペトロフは、2度のF1チャンピオンであるアロンソを引き合いに出して反論した。
「アロンソだって僕と何の違いもないと思うね」
「彼がサンタンデール銀行(フェラーリのスポンサー)に資金を援助してもらっているのはみんなが知っていることだ」
「とにかく、才能があるからF1ドライバーになれるんだ」とペトロフはイタリアの新聞『La Stampa(ラ・スタンパ)』に語った。
実際、2009年末当時、フェラーリがキミ・ライコネンを放出してスペイン人のアロンソと契約したのは、スペインを拠点にするヨーロッパ最大級の銀行サンタンデールからより多くの資金を引き出そうというねらいもあったのではないか、とささやかれていた。
またペトロフは、トゥルーリにも同情しないとして、次のように語ったという。
「人生は厳しいものだ」