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メルセデスAMGがトップチームを脅かすとニキ・ラウダ

2012年03月07日(水)0:03 am

かつて3度F1チャンピオンの座についたことのあるニキ・ラウダが、2012年シーズンはメルセデスAMGがトップチームに分け入る存在になるだろうと話している。

2月から始まったシーズン前テストを終え、オーストラリアでの開幕戦(3月18日決勝)まであと2週間を切った今、各チームや評論家たちはチームの順列がどのようになるのかということを推し量ろうとしている。

「私の感覚では、マクラーレンとレッドブルはほぼ同じくらいだね」

オーストリアのテレビ局『ORF』の番組『Sport am Sonntag(シュポルト・アム・ゾンタック)』でこう語ったラウダは、さらに次のように続けている。

「いい意味での大きな驚きはメルセデスAMGだね。彼らは違った方向性を選んでいる。ノーズは比較的小さく、それによってクルマの見た目も他のチームとはかなり違っている。なぜなら、彼らは(フロントウイングに)Fダクト(※)を設けたからだ」

「私にはメルセデスAMGが最も革新的なクルマに思えるね。その(Fダクト)メカニズムもとてもよく機能しそうに見えるよ」

さらにラウダは、もしメルセデスAMGのクルマが速いものであれば、2010年にF1に復帰したミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)にとって初めて本当の実力が試されるときになるだろうと次のように続けている。

「彼(シューマッハ)にとっては本当に大事な年になるよ。彼自身にとってもわれわれにとっても、ロズベルグ(ニコ/チームメート)に対してどれだけやれるのかということが初めて本当にわかることになるからね」

「ミハエルはわれわれみんなに対して、本当にどれだけのことができるのかを証明する必要がある。もちろんそれは難しいことだ。年齢が増すごとに速さが失われてゆくのは必然的なことだからね」

一方で、ラウダはF1界に広がっている憶測、すなわち現在フェラーリが開幕前の時点で危機に瀕(ひん)しているという見方に対して、同じ意見を持っているようだ。ラウダは次のように続けた。

「彼らは後れを取っている。疑う余地はないね。クルマはとても安定性を欠いているし、フロント側がいつも滑っている。フェラーリはトップ3(レッドブル、マクラーレン、メルセデスAMG)よりも10分の2秒か3秒遅いんじゃないかと思っている。シーズン開幕の時点において、その差は極めて大きいよ」

「彼ら(フェラーリ)にはまさにトップドライバーのアロンソがいる。しかし、もしクルマがどうしようもないものだったらアロンソだってどうすることもできない。とりわけ、チームメートのマッサ(フェリペ)はそれほど速いわけじゃないし、マッサがアロンソを脅かすようなこともないからね」

(※)Fダクトとは2010年にマクラーレンが最初に導入したシステムで、当時のものは車体にあけられた穴から空気を取り入れ、それをリアウイングに流すことで一時的にダウンフォースを減らし、スピードを上げる効果のあるものだった。これはその空気の流れをドライバーが操作するものであったことから後に禁止措置がとられている。今年メルセデスAMGがフロントウイングに採用したシステムは、ノーズ先端に開けられた穴から空気を取り入れ、その気流を左右のウイングに導くことによってコーナリング時の安定性を向上させるものだと考えられているが、ドライバーが操作したり、ウイング自体が形状を変化させることがないため合法的なシステムとされている。メディアによっては、メルセデスAMGのシステムについて「Wダクト」と呼んでいるものもある。

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