HRTは、18日(日)に行われる今季F1開幕戦オーストラリアGPまでに、1回でも今季マシンでテストしたいと願っている。
ライバルチームであるマルシャの新車は先日、クラッシュ時の安全性を確認するクラッシュテストに合格できなかった。今季からF1では、クラッシュテストに合格しない限りテストにも参加できなくなったため、マルシャは今季マシンでテストを行わないまま開幕を迎えることになる。
マルシャのドライバーであるティモ・グロックはクラッシュテストの不合格について『DPA通信』に「もちろん、とても不名誉なことだよ。けれど、安全が最優先なんだ」と語っている。
マルシャと同様に開発に遅れが見えるHRTの2012年型車だが、少なくともクラッシュテストには合格しており、開幕前に最後となるテストを開催中のカタルーニャ・サーキットにもHRTの新車が持ち込まれた。しかし、テスト初日の1日(木)にHRTが走行することはなかった。
HRTドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサやチーム代表のルイス・ペレス・サラは、まだクルマを走らせられる段階にないと話している。
「今日、目標として挙げられるのは5日(日)の新車デビューだね。それができない場合には、6日(月)にテストできる可能性があるかな」とデ・ラ・ロサは『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』紙に語った。
バルセロナテストの最終日は5日(日)であり、開幕戦の前週となる6日(月)のテスト実施には、FIAがすでに否定的な見解を示している。
しかし、HRTにも手段は残されている。チーム代表のペレス・サラが言うように、撮影日という名目で走行できる可能性もある。
「クルマはまだ製作段階にあるから、日曜日までに準備が整えば素晴らしいだろうね」とペレス・サラは話している。
デ・ラ・ロサが明かしたところによると、マルシャの新車とは異なり、HRTの新車はKERS(運動エネルギー回生システム/ブレーキング時のエネルギーを蓄積し、加速に利用する装置)を載せられる設計になっているようだ。
「KERSを使えるような設計になっているけれど、チームは開幕戦でKERSを載せないと決めているんだ」