来たるFIA(国際自動車連盟)会長選挙で2選を目指す構えの現職ジャン・トッド会長の前に、デビッド・ワードという対立候補が立ちはだかった。ワードは6日(金)、さっそくFIAの「効率と責任能力」を向上させる旨のマニフェストを発表した。
トッドは、WRC(世界ラリー選手権)のコ・ドライバーからプジョー、フェラーリのチーム運営に携わった末にFIA会長までのぼり詰めた人物。マラネロでトッドの座を引き就いだのが、現フェラーリ代表のステファノ・ドメニカリだ。「安定と継続」が不可欠と、ドメニカリは語り次のように続けた。
「以上のふたつは、常に我々が見失いがちなものだ」
トッドはまだ正式な出馬表明を行っていないが、マクラーレン代表のマーティン・ウィットマーシュは、次の発言からトッド支持の姿勢がうかがえる。
「彼が、自分のエゴのためにF1を利用するような男ではないことを指摘しておかなければならない。ジャンはモータースポーツのためを思って、今まで行動してきたのだと思う」
目立たぬ姿勢が時に批判の的となるトッドだが、ウィットマーシュは、実は物議と無縁であることがトッドの大きな強みだと、次のように語る。
「チャブ台返しや派手な行動を肯定するような人たちにとっては、物足りなく映るのだと思う」
「しかし、F1で仕事をする我々にとって、ある程度の安定はありがたいものなんだ。F1の利益にかかわる物ごとを音もなく効率的に決める姿勢には、それなりの長所があるのさ」
「我々(F1チーム)は投票結果に影響を与える立場にないが、これまでジャンはよくやってきたと思う。2選されるか、見守ろうじゃないか」
ドメニカリと同様、フェラーリ時代にトッドと密接に仕事をしてきたもうひとりが現メルセデスAMGチーム代表のロス・ブラウンだ。
「安定と一貫性は非常に重要だよ」と、ブラウンはモンツァで語る。
同じく6日(金)、トッドに味方するコメントを発したのはレッドブルチーム代表のクリスチャン・ホーナーだ。
「ジャンはよくがんばってきたと思うよ」とホーナーは語っている。