HRTのエースドライバーで、マクラーレンのレースドライバーやピレリのテストドライバーを務めてきたペドロ・デ・ラ・ロサが、クルマを改良する必要性を説いている。
「冬の間に、クルマの空力面という弱点を克服しなくてはいけない」と、デ・ラ・ロサが『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に話している。
新たなオーナーのもと、体制を一新して挑んだ2012年シーズンのHRTは過去数年と比べて良い結果が出るようになってきた。予選Q1でトップタイムの107パーセント以内のタイムを出せないクルマを予選落ちとする、いわゆる107パーセントルールに引っかかる心配もなくなった。
HRTの現状について、デ・ラ・ロサはこう話している。「確かに、夏休み前まではかなり進歩が見られたんだ。でも、そのあとはちょっと停滞したというか、予想よりも開発スピードが落ちてしまった」
「それでも、全体的には大きく進歩している。開幕戦のF1オーストラリアGPでは予選落ちしたが、F1モナコGPとF1ヨーロッパGPでは、予選トップの103パーセントのタイムを出せた。素晴らしい結果だよ」
そう言いながらも、来シーズンもHRTからの出走が決まっているデ・ラ・ロサは、チームにはまだやるべきことがあると話す。
『El Confidencial(コンフィデンシアル)』は、HRTでひん発するブレーキトラブルについて触れており、あまりにもこの問題に解決方法を見い出せないため、HRTはなにも進歩していないのではないかと疑問を呈している。
そのうえ、HRTが直面する問題はブレーキだけではない。2014年シーズンから導入されるV6エンジンは現行のものとは大きく異なるため、チームは今のクルマを変更するだけではなく、まったく新しいクルマの設計が求められるのだ。
「すべては、2013年シーズンをどう過ごすかにかかっている」
「強くなることができれば、2014年シーズンはもっと楽になるはずだ。確実な将来がないのがF1なんだからね」