今週末開催されるカナダGP(6月10日決勝)の主催者団体は、予定されていた“一般開放”の日程を中止することを発表した。
モントリオールで行われるカナダGPの運営者は、7日(木)に一般の観客に対してジル・ビルヌーブ・サーキットを開放し、無料でF1のピットレーンのツアーを行う予定を組んでいた。
その一般開放は1990年代前半から行われており、昨年は12,000人もの観客が一足先に臨場感あふれるサーキットを堪能したと『Le Press(プレス)』紙は報じている。
だが『Canadian Press(カナディアン・プレス)』によると、F1開催に対する抗議活動を展開している学生たち、それにインターネットのサイバーテロリスト『Anonymous(アノニマス)』からの脅迫があったため、2012年はそのカナダGP恒例のイベントが“安全上の配慮”から中止されることになったという。
運営者のフランソワ・デュモンティエは「混乱を招きかねないさまざまな脅迫を考えた際、入場無料で開放的なことが特徴の一般開放日が、看過することができないリスクを浮き彫りにした」と述べた。
その上でデュモンティエは「F1のファンの皆さん、そして毎年F1世界選手権を戦うチームたちとの交流を持てるこの場を評価してくれている、カナダGPの観客の皆さんには心から謝罪の意を表したい」と付け加えた。
名物イベントのキャンセルの決定を下したものの、モントリオールはレース関係者にとって安全であるとデュモンティエは強調している。
「モントリオールで何かが起こっていることは否定できない」とデュモンティエは『Le Press(プレス)』紙に語った。「しかし、海外メディアが報じている内容は火炎瓶や警官隊との衝突といった、毎度おなじみの凝り固まったイメージだ」と続けた。
そして「そのことに関して私に質問してくる人たちを安心させるべく、努力を続けている。数日前に到着したF1関係者もいるが、彼らはその事態について何も言ってきていない」とモントリオールは安全だと指摘している。
同時に、デュモンティエはセキュリティを強化したことも認めている。
「如何なる詳細も明かすことはない。ただ、かなり手の込んだプランは立ててある」というデュモンティエのコメントを『Times(タイムズ)』は掲載している。
そして「セキュリティを強化した。襲撃されやすい可能性がある特定の場所を見直したうえ、数週間にわたって警察と緊密に作業を行っている。万が一の事態への備えはできている」と締めくくっている。