来週末に予定されている2023年のF1モナコGP(28日決勝)のプロモーターは、洪水に見舞われたイモラの状況がモンテカルロで開催されるレースに影響を与えるとは考えていないようだ。
今週末にイモラ・サーキットで開催されるはずだった今季の第6戦エミリア・ロマーニャGPは洪水のために中止となったが、イモラからモナコまでは実際には陸路で500キロメートルほどしか離れていない。
■時間的余裕はあるとフェラーリのボス
伝えられるところによれば、18日(木)に限られたチーム関係者のみがイモラ・サーキットに入ることが許され、そこでモナコに向けての荷造りが開始されるとともに、機材などが洪水の影響を受けていないかどうかの確認が行われたという。
また、F1のテレビ放送施設も水没したと伝えられており、もしそれがダメージを受けていれば、来週末のモナコからのテレビ放送に重大な影響を及ぼす可能性もあると考えられていた。だが、FOM(F1商業圏管理組織であるフォーミュラ・ワン・マネジメント)は、重要な電気機器が浸水から免れたことを確認したものと考えられている。
フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールは、母国フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に対し、モナコへの移動は問題ないだろうと次のように語っている。
「我々は日曜日の晩にイモラを発つ予定だったので、今は余裕があるよ」
■周辺の交通状況には不安も
ドイツの『Bild(ビルト)』紙は、18日(木)にイモラから次のように報じている。
「パドック内は何も浸水していない。だが、前日までの洪水の跡はハッキリと見える」
また、ニック・デ・フリース(アルファタウリ)は、イモラから直線距離で12キロメートルほどのところのファエンツァにあるチームのファクトリーに向かったものの、洪水のためにホテルにたどり着けなかったことを明らかにしている。
「高速道路に戻るという選択肢もないんだ」
そう語った28歳のオランダ人ドライバーは、マクラーレンのスタッフたちも「満室のホテルが1軒ある小さな村」で足止めを食っていると付け加えている。
F1マシンや機材を積むトラックも、被災したエミリア・ロマーニャ州からモナコへ向かう際に、同じような問題に直面するのではないかと心配されていた。
■一両日中にイモラからのトラック便がモナコに到着か
だが、モナコGPのプロモーターであるモナコ自動車クラブの広報担当者は18日(木)の夜に、チームたちまもなくモナコに到着するだろうと次のように語った
「トラックは明日到着する」
「我々の物流チームは彼らを歓迎する準備ができている」
■イモラの今年のF1開催料支払いは免除
一方、中止となった2023年のエミリア・ロマーニャGPに関しては、プロモーターが声明を出し、チケットは2024年の開催に振り替えるか、全額返金するか、どちらかを選択できる形にすることを確認している。
また、『Bild(ビルト)』紙は次のように報じている。
「洪水などの自然災害は不可抗力とみなされるため、主催者はF1に支払うはずだったレース開催料を支払う必要はない」
「イモラの場合、それは約2,000万ユーロ(約30億円)だ」。