アルピーヌのチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーが、2022年は信頼性を犠牲にしてもエンジンパフォーマンスに集中したことは正しかったと主張した。
アルピーヌは、2022年F1シーズンを3強と呼ばれるレッドブル、フェラーリ、メルセデスに次ぐコンストラクターズランキング4位で終えることに成功している。
■アルピーヌF1マシンの信頼性に不満を抱えたアロンソ
しかし、2021年にこのチームで3年ぶりのF1復帰を果たした2005年と2006年のF1チャンピオンである41歳のフェルナンド・アロンソは、2023年には今季をランキング7位で終えたアストンマーティンに移籍することになっている。
アロンソが、今季限りでF1引退を決めたセバスチャン・ベッテルの後任としてアストンマーティンに移籍する決断をした理由のひとつは、今年のアルピーヌF1マシンの信頼性の低さに不満を抱えていたためだと考えられている。
だが、2022年のF1最終戦が行われた先週末のアブダビで行われたアルピーヌのファンイベントにおいて、チームメートのエステバン・オコンの隣に立ったアロンソは「このチームを去るのはさびしい」とコメントした。
しかし、それを聞いたオコンは、冗談めかして次のように語った。
「嘘だ! 彼は喜んで行くって言ったよ!」
それを受けて、アロンソは次のように付け加えている。
「そうだね、僕は行けてうれしいよ。それと同時に悲しい気持ちにもなると思う。来年はもっと競争力のあるクルマに乗れるといいんだけどね」
■アロンソのマシンに信頼性問題がなくても結果は同じだった
こうした中、今年からアルピーヌのチーム代表を務めているサフナウアーは、アロンソが2022年のアルピーヌF1マシンの信頼性に対して不満を抱いていることを否定しなかった。
「そう、もちろん彼はエステバンよりも故障が多かった。我々もそれは分かっているし、いつも彼がポイントを獲得できそうだったときに故障が起きていた。私だってそれに満足はしていないよ」
スペインの『AS』紙にそう語ったサフナウアーは、次のように続けた。
「だが、もしフェルナンドに何も問題が起こらなかったとしても、それでも我々はコンストラクターズ選手権で4位だったはずだ。それが我々の目標だったし、我々はそれを達成したんだ」
「今年は4位が我々にできる最高の結果だった。だから、信頼性を犠牲にしてでもエンジン性能を追求するという決断は正しかったんだ」
昨年まではアストンマーティンのチーム代表を務めていた58歳のサフナウアーは次のように付け加えた。
「それは来年へのよい土台となる。なぜなら、マシンは若干変わるが、基本的には同じでフロアが大きく変わるだけだからね」