セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、もし最強F1チームであるメルセデスからオファーがあれば受けていただろうと認めた。
今年限りでフェラーリのシートを失うことが決まったベッテルに関しては、このままF1を引退してしまうのではないか、あるいは、2021年にはメルセデスへ移籍する可能性もあるのではないかといったうわさがささやかれていた時期もあった。
だが、ベッテルは最終的に来シーズンからアストンマーティンと名称が変わるレーシングポイントと2021年の契約を結んでいる。
「キャリアを終えることも考えたよ。だけど、僕にはまだこのスポーツに与えられるものがあるし、アストンマーティンのオファーがいい時にやってきたんだ」
イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』にそう語ったベッテルは次のように続けた。
「ローレンス・ストロール(レーシングポイント/チームオーナー)とオットマー・サフナウアー(レーシングポイント/チーム代表)のことは以前から知っていた。彼らがパドックで僕に移籍の可能性について尋ねてきて、そこから僕たちの会話がスタートしたんだ。そのことを秘密にする理由はないよ」
ベッテルは2015年シーズンから所属していたフェラーリとの“恋愛関係”がすでに終わってしまっていることも認めたものの、フェラーリのことを悪く言うつもりはないと次のように続けている。
「僕はもちろんフェラーリを責めるつもりはないよ。僕はそのクルマを手にしているわけだし、それが16歳の頃からの僕の姿勢なんだ」
「僕が手にした最高のフェラーリは2017年のものだったよ。予選では少しパワーが足りなかったけれど、何度かメルセデスの前に出ることができた。いい時もあれば悪い時もあったよ」
少し前にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、もしルイス・ハミルトンが乗っているメルセデスF1マシンを手にすることができれば現在のF1ドライバーのうち9割が勝利することが可能だと語ったことが報じられていたが、そのことについて質問されたベッテルは次のように答えた。
「それが正しいかどうかを言うのは難しいと思うよ」
「メルセデスのマシンは素晴らしいし、あのチームがものすごく強くてルイスがその利益を得ているのは間違いないよ。ハミルトンの位置にいれば間違いなく成功するドライバーも何人かいるだろうね」
「だけど、ルイスはどのレースでも強さを見せるし、それは間違いなく彼の強さだと言わざるを得ないよ」
さらに、もしメルセデスのマシンに乗るチャンスがあればそうしたと思うかと尋ねられたベッテルは次のように答えている。
「もし自分にメルセデスでドライブするチャンスがあったならば、僕はノーとは言わなかっただろうね」
「現時点では、メルセデスにノーというドライバーは誰もいないと思うし、僕も間違いなくルイスと戦いたいと思うだろうね」
ベッテルはそう語ると次のように付け加えた。
「彼にも同じことを聞いてみるべきだよ。だけど彼も僕と同じチームでやりたいと言うと思うよ。僕たちはお互いをすごくリスペクトしているんだ」