セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は今週末にバルセロナで開催される今季のF1第6戦スペインGP(16日決勝)では新しいシャシーを使用することになるかもしれない。
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今季限りでフェラーリを離脱することが決まっているベッテルだが、7月にシーズンがスタートして以降ここまでにまだ10ポイントしか獲得できていない。
チームメートのシャルル・ルクレールは粘りの走りでここまでに45ポイントを獲得しており、両者の差があまりに大きく広がっていることに驚いているファンやF1関係者も少なくない。
ベッテルはフェラーリの2020年型F1マシンはパフォーマンス不足であるだけでなく、非常に乗りづらいものだとの不満を口にしている。
2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグは、かつてレッドブルで4回F1チャンピオンとなった同じドイツ出身のベッテルが乗る今年のフェラーリF1マシンに何か不具合がある可能性もあると考えている。
「ほとんど気づけないような小さな問題が潜んでいることもときどきあるんだ」
「セバスチャンはすぐにフェラーリに対して新しいシャシーをくれと言うべきだよ」
「僕の意見だけど、クルマに何か問題があるに違いないよ」
テレビ局『RTL』にそう語ったロズベルグは次のように付け加えた。
「4回F1チャンピオンになったドライバーなんだからね」
思うような結果が出せていないベッテルだが、日増しにその不満が募っているのは間違いないようだ。
先週末のレースではスタート直後に自分のミスでスピンをしてしまったことが最終的には致命傷となったわけだが、ベッテルはその後のタイヤ交換のタイミングが悪くて自分のレースが「台無しにされてしまった」と無線で公然とチームを批判していた。
フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、それに対してチームはできる限りのことはやっていると弁明したものの、今後ベッテルのシャシーを新しいものに交換してもかまわないと次のように語っている。
「私はセバスチャンの助けになることは何でもするよ。ドライバーとチームが話し合って決めればいいと思う」
「新しいシャシーによってセブ(ベッテルの愛称)の信頼を取り戻すことができるのであれば、彼に新しいシャシーを提供するよ。彼がもっといい感触を得られるようにするために、我々にできることがあれば何でもやるつもりだ」
ドイツのテレビ局『RTL』は、今週末のスペインGPでベッテルは新しいシャシーを手にすることができるようだと報じている。
ドイツ出身の元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハもそれはいいことだと考えている。
「ルクレールの方が速いクルマを手にしているのは確かだよ」
「フェラーリはセバスチャンをああいうふうに扱うべきではないね」
「私はベッテルがもうコックピットから出ようと思うほどに雰囲気が悪くなるのかどうかを見ていきたいと思う。だけど、まだそうなるという想像はできないよ」
しかし、1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、現在の不調はベッテル本人の責任でもあると考えている。
先週末のシルバーストン・サーキットでのベッテルのスピンに言及しながら、彼は「常にこういうミスを冒すんだ」と語った49歳のビルヌーブは『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に次のように付け加えた。
「チャンピオンにこういうことが何度もおきるなんて理解しがたいよ」