現時点では新型コロナウイルスの流行が終息を迎える気配は見えず、来週末に予定されている開幕戦F1オーストラリアGP(15日決勝)、第2戦バーレーンGP(22日決勝)、そして第3戦ベトナムGP(4月5日決勝)が予定通り行われるのかどうか予断を許さない状況となっている。
だが、F1オーナーであるリバティ・メディアは、延期が決定している第4戦中国GP以外のレースはすべて予定通り行うつもりだとしている。
リバティ・メディアのグレッグ・マッフェイCEOも新型コロナウイルス問題が「我々のF1ビジネスにとってある種のリスクとなる」のは確かだと認めたものの、次のように続けている。
「我々は中国を延期した。だが、それは我々の判断ではなかった。中国政府がプロモーターにレースをしないよう伝えたんだ」
「我々としては、シーズン序盤の3レースであるオーストラリア、バーレーン、そしてベトナムは予定通り行うつもりだ」
F1の前最高責任者であるバーニー・エクレストンは、中国GPをキャンセルするのではなく延期することにしたのは正解だと考えている。
「私なら決してレースをキャンセルしないだろう。(日程を)動かす方がいいよ」
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語った89歳のエクレストンは次のように付け加えた。
「ウイルスはしばらく収まることはないだろう。だが、シーズン後半になれば状況も落ち着くだろうし、序盤に予定されていたレースをひとつかふたつ埋め込めるだけの隙間はあるんじゃないかな」
現時点で答えが見つからない最大の課題は、もしもイタリアに本拠を構えるF1タイヤサプライヤーのピレリがレースに派遣する予定のスタッフが新型ウイルスに感染したり、隔離状態に置かれてしまったりするような事態となったときにどう対応するかということだ。そんなことになればF1レースを行うことが難しくなるのは間違いない。
これに関して質問を受けたあるF1チーム代表は次のように答えた。
「それはみんなが認識しているが、口にしたくない問題だよ」