セルジオ・ペレスが、レーシングポイントの2020年型F1マシンが「ピンクのメルセデス」と揶揄されていることに関して、そんなことは全く気にしていないと主張した。
2018年シーズン途中に新たなチームオーナーの手に移ったことから、それまでフォース・インディアと呼ばれていたチームは2019年からレーシングポイントと呼ばれるようになった。
そしてオーストリアの水処理会社であるBWTをタイトルスポンサーに迎えたレーシングポイントのF1マシンにはBWTのイメージカラーであるピンクを基調としたカラーリングが施されている。
2019年は開発の遅れもあり、コンストラクターズランキングは7位に終わったレーシングポイントだが、バルセロナで2週間にわたって合計6日間で行われた公式プレシーズンテストではトップ3チームをも脅かしかねないパフォーマンスを発揮。少なくとも現時点ではトップ3に次ぐ4番手の位置にいると考えられている。
このレーシングポイントの躍進の秘密は、2019年のメルセデスF1マシンをほぼまるごとコピーしたことにある。メルセデスからエンジン供給を受けているレーシングポイントは、メルセデスの風洞施設を利用して2020年型マシンの設計を行うなどメルセデスとの技術協力関係を深めており、エンジン以外のいくつかのパーツもメルセデスから購入している。
このため、2019年のメルセデスにそっくりな形状となり、高いパフォーマンスを発揮している2020年型レーシングポイントのマシンはメルセデスのコピー製品だという嫌みをこめて「ピンクのメルセデス」と呼ばれているわけだ。
だが、30歳となったメキシコ出身のペレスは、プレシーズンテストが行われたバルセロナで次のように語った。
「みんながピンクのメルセデスだと言っても僕は気にしないよ」
「僕らのマシンが彼らが比較しているクルマ(メルセデス)と同じように機能しているということなんだから、それはいいことだよ」
微笑みを浮かべながらそう語ったペレスは、次のように続け、2020年シーズンに向けて自信を示している。
「全てのチームが改善してきたのは間違いないし、僕たちが実際にどういう位置にいるのかはメルボルン(開幕戦オーストラリアGP/3月15日決勝)で分かるだろうね。だけど、僕たちは最初のレースから競争力を発揮できると思っているよ」
「ピンクのメルセデス」の躍進が、昨年コンストラクターズランキング4位だったマクラーレンや5位だったルノー、そして6位だったトロロッソ(現アルファタウリ・ホンダ)にとって脅威となるのは確かだ。
だが、トップ3チームであるフェラーリもレーシングポイントをかなり警戒しているようだ。
「少なくとも、彼らはスピードに関しては我々に迫っていると思う。彼らのマシンの形状を見れば、そのことはあまり驚くには当たらないがね」
そう語ったフェラーリのマッティア・ビノット(チーム代表)は次のように付け加えた。
「彼らはある程度我々にとっての脅威になるだろう。だが、フェラーリは強いチームだし、我々も十分に戦えるクルマを開発することができるよ」
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