レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、本来得意としているはずのマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで行われたF1シンガポールGPで苦戦を強いられたのは事前に行ったシミュレーター作業に原因があったのだと語った。
●【決勝レース結果】2019年F1第15戦シンガポールGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
低速コーナーが多い市街地コースであるマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットは空力特性が高いマシンが強さを発揮するサーキットだ。
事前の予想ではシンガポールではダウンフォースに弱点があるフェラーリは苦戦し、メルセデスとレッドブル・ホンダの戦いになるだろうと考えられており、F1関係者の中にはレッドブル・ホンダをここでの優勝候補筆頭にあげた者も少なくなかった。
ところが、大方の予想をうらぎってフェラーリが強さを見せてシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得し、決勝ではピット戦略で逆転したセバスチャン・ベッテルが優勝。チームとしてはベルギーGP、イタリアGP、そしてシンガポールGPと3戦連続ポール獲得と優勝を達成している。
一方、優勝候補にもあげられていたレッドブル・ホンダは、マックス・フェルスタッペンが予選4番手にとどまるという意外な結果となってしまった。
決勝ではメルセデスのピット戦略ミスにも助けられてなんとか3位表彰台は手にしたものの、当初の思惑とは大きく異なる結果となってしまったのは事実だ。
どうしてレッドブル・ホンダは、得意としていたはずのマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで本領を発揮できなかったのだろうか?
「問題はシミュレーターの中にあったんだ。我々はそこで完全に間違いを犯してしまっていた」
オーストリアのテレビ局『ORF』にそう語ったマルコは次のように続けた。
「シミュレーターがレース週末に向けたセットアップの基準となるんだ。だからそこから間違っていれば、問題を抱えてしまうことになる」
「問題は、我々がシャシーのセットアップをかなり固めにしてしまっていたことだ。それによって安定性が欠けてしまっていた。それにダウンフォースも小さくし過ぎていたよ」
チーム代表のクリスチャン・ホーナーは3位となれたのは運も味方していたのだと次のように付け加えた。
「もしメルセデスがあの作戦ミスを犯してくれなかったら、もっと悪い結果になっていただろうね」