レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、マックス・フェルスタッペンとの契約に盛り込まれている解除条項に関しては「心配していない」と主張した。
フェルスタッペンとレッドブルの間に結ばれている現在の契約は2020年までとなっている。
だが、その契約の中には一定以上の成績をあげることができなかった場合には中途で解除することが可能となる特別条項が設けられていることが明らかとなっている。そして、フェルスタッペンがそれを行使して今季限りでレッドブルを離脱する可能性がありそうだとのうわさがしばらく前からささやかれるようになっていた。
■フェルスタッペン側が契約解除に動く可能性は?
だが、フェルスタッペンは先週末にレッドブルの地元で行われたF1オーストリアGPで今季初勝利を達成。しかもスタートで出遅れてしまい一時は8番手にまで順位を下げてからの大逆転勝利だった。
このレースでフェルスタッペンはコース上でメルセデスやフェラーリをオーバーテイクするという強さを発揮。レッドブル・ホンダのパフォーマンスが大きく改善されたことが証明されたことで、最近ではフェルスタッペンがこのまま来季もレッドブルに残ることになるだろうとの見方が強くなってきている。
フェルスタッペンの契約にある解除条項に関して、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、8月にF1が夏休みを迎えた時点でもしドライバーズランキング3番手以内に位置していなければ、フェルスタッペン側がその解除条項を行使して今季限りで契約を終了させることができるという内容になっているようだと推測している。
オーストリアGPで優勝を飾ったフェルスタッペンはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)を追い抜いてランキング3番手に浮上したが、現時点でその差はわずか3ポイントだ。夏休み前にはまだ3レースが残されており、今後フェルスタッペンのランキングがどう推移していくかは分からない。
しかし、解除条項に関して「それはパフォーマンスと関係するものだ」と認めたマルコは次のように付け加えた。
「現時点では、私は心配していないよ」
■ホンダエンジンはイタリアGPでさらに前進するとマルコ
もちろん、レッドブルがフェルスタッペンをキープし続けたいと考えているのは明らかだ。マルコは21歳のオランダ出身ドライバーについて次のように語った。
「2015年に新たなアイルトン・セナがやってくると言ったときには、何人かの専門家が私を批判したよ。だが、今では誰も批判する者などいない」
「日曜日(オーストリアGP決勝)の勝利は重要なステップだった。マックスは我々とホンダと一緒にやることで自分が何を手にしているか分かっている。そしてホンダの人たちも彼らにどういう能力があるかを示してみせた」
「より攻撃的な新しいエンジンソフトウエアを彼らが今季初めて使用したとき、我々は大きな前進を果たした。そしてエンジンに関してはモンツァ(第14戦イタリアGP/9月8日決勝)でまた一歩前進することになるだろう」
そう語った76歳のマルコは次のように付け加えた。
「我々はすべてのレースにおいてシャシー側も改善しつつある。だから今では自信を持って言えるよ。ライバルたちがつまずくとき、そこには我々がいるのだとね」