ルノーのレーシング・テクニカル・アドバイザーを務めるボブ・ベルが、フェルナンド・アロンソのF1引退や、ダニエル・リカルド(現レッドブル)との契約に至った経緯などについて語った。
アロンソを擁して2005年と2006年に2年連続でF1タイトルを獲得した時期にルノーのテクニカルディレクターを務めていたベルは2011年にメルセデスへ移籍。2014年限りでメルセデスを離脱したベルは短期間ながら2015年にマノーのコンサルタントを務め、2016年にまた古巣ルノーに復帰していた。
■アロンソ引退は悲しいが世代交代も必要
60歳のベルはスペインの『Marca(マルカ)』に、今季限りでF1を引退することになったアロンソについて次のように語った。
「フェルナンドがF1を去るのは非常に悲しいことだ」
「それもたった2回タイトルをとっただけで去るというのはさらに悲しいよ。4回あるいは5回だってとれたはずだからね」
「しかし、それはドライバーたちの通常のサイクルでもある」
「若くてワクワクするような才能を持つ者たちが来年はフェラーリやレッドブルに行くことになる。つまり、それはドライバーの自然な世代交代なんだ」
■リカルドとの契約に動くしかなかった
一方、ベルは2019年にリカルドがルノーに加わるのを楽しみにしていると語りつつ、今季ニコ・ヒュルケンベルグのチームメートを務めているカルロス・サインツとの契約を延長したいと考えていたのも事実だと次のように語った。
「我々は非常に難しい状況に置かれていたんだ。もしレッドブルがサインツに関して有していたオプションを行使していたら、我々にはどうすることもできなかった。だから、リカルド獲得の可能性が出てきたとき、我々としては決断をするしかなかった」
■オコンのネックはメルセデス所属であること
また、ルノーF1プロジェクトを率いるマネジングディレクターのシリル・アビテブールは、2016年にはリザーブドライバーを務めていたこともあるエステバン・オコン(現フォース・インディア)との契約を結ばなかったのは、やはり彼がメルセデス所属ドライバーであることがネックになっていたのだと認めている。
「彼がメルセデスのドライバーだということは我々にとっては大きな問題なんだ。我々も短期的あるいは中期的には彼と仕事をすることもできた。だが、彼はルノー専属ドライバーとなる必要があった」
フランスの『Nice Matin(ニース・マタン)』にそう語ったアビテブールは次のように付け加えた。
「エステバンには非常に才能があるし、彼は間違いなくF1に戻ってくるよ。それは確かだ」