ルノーの特別アドバイザーを務めるアラン・プロストが、すでに2019年のF1マシン開発の方にリソースをシフトしたことで、現時点ではチームが徐々に後退しつつあることに懸念を示した。
■ランキング4位に黄信号がともるルノー
2017年シーズンをコンストラクターズランキング6位で終えたルノーだが、今季は着実にパフォーマンスを向上させ、メルセデス、フェラーリ、レッドブルのトップ3チームを除いた中では最上位の4番手につけている。
だが、シーズン前半に比べると最近ではやや相対的なパフォーマンス低下が目につくようになり、現時点では5番手に位置するハースに9ポイント差と迫られている。
■相対的には後退しているエリアも
現役時代に4度F1チャンピオンとなった記録を持つプロストは、母国フランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュ)』に次のように語った。
「現在は非常に厳しい状況だ。もうそれほど多くの改良パーツを投入する予定はないし、エンジンもすでに来年の準備に移っているからね」
「我々はまだ大きな進歩を遂げたわけではないし、実際のところいくつかのエリアにおいては後退すらしている。よそがエンジンをかなり進歩させたことでね」
■まだあるべきレベルに達していない
プロストは、ルノーが勝てるようになるにはまだ時間がかかるだろうと次のように続けた。
「来年に向けた我々の準備はうまく進んでいるよ。だが、1年で追いつけるほど甘くないことは我々にも分かっている。シーズン後半にはライバルたちにもっと近づきたいと思っていたが、現状ではそうなっていないし、そのことをしっかり認識しなくてはならない」
「我々は現実的であり続け、何が起きているのかを分析しなくてはならないよ。まだ本来あるべきレベルに到達していないのだからね」
一方、来季はF1マシンの空力パーツに関するルールが変わることから、もっとオーバーテイクが増えて見応えのあるレースが増え、「ショー」としてのF1が大きく前進するだろうと期待する声もある。
だが、プロストはそう楽観視できるわけではないと考えている。
■来年もチームの序列は変わらない
「ショーが必ずしも素晴らしいというわけではないよ。しかし、私もそれほど否定的ではないがね」
「ひとつ確かなことがある。2019年のルール変更では何も変わらないということだ」
フランスの『L’Equipe(レキップ)』にそう語ったプロストは次のように付け加えた。
「何よりもまず、サーキット上でどう改善するかということのために今以上の作業が必要になるわけだから小規模チームには不利をもたらすことになる。また最高の仕事をして圧倒的な強さを発揮するのは大規模チームだよ」