元F1ドライバーのアレックス・ザナルディが、DTMと呼ばれるドイツ・ツーリングカー選手権の方がF1よりも面白いと語った。
1991年から94年にかけてジョーダン、ミナルディ、ロータスなどでF1レースを戦ったザナルディだったが、1996年には新天地を求めてアメリカに渡り、CARTシリーズに参戦。1997年と1998年に2年連続チャンピオンとなり、翌1999年には再びウィリアムズでF1に復帰した。
しかし、結果が残せずわずか1年で再びF1を去ることになったザナルディは2001年にまたCARTに復帰。しかしドイツで行われた第16戦で大事故に遭い、両足を失ってしまう。
だが、不屈の男とも呼ばれるザナルディは2003年にツーリングカー選手権でレースの世界に復帰。その後ハンドサイクリングに転向したザナルディは2012年のロンドンパラリンピックと2016年のリオデジャネイロパラリンピックで合計金メダル3つ、銀メダル1つを獲得している。
現在51歳のザナルディは、ドイツの『DPA通信』に次のように語った。
「僕の意見だけど、DTMが現時点では世界で最もエキサイティングなシリーズだよ。F1よりもいいね」
「(F1の)戦いのレベルはDTMほど高くないよ」
ザナルディは、現在のF1を面白くないものにしているひとつの原因は3強チームの誰かが勝つことがほとんど保証されている状態にあることだと考えている。
「もしメルセデスあるいはフェラーリで運転することができる幸運に恵まれれば、もしチームメートよりもかなり遅かったとしても恐らくはトップ10には入れるだろうね。それはほかのチームのドライバーよりもいいクルマに乗っているということだけさ」
そう語ったザナルディは次のように付け加えた。
「DTMはそうじゃないよ」
ザナルディはBMWのゲストドライバーとして先週末にミサノで開催されたDTMレースに出走。ウエットコンディションとなったレース2でグリッド後方からスタートしたザナルディは路面コンディションが変化する中ウエットタイヤでの走行を続け、見事5位でチェッカーを受けている。