レッドブルがなかなか2019年に組むエンジンサプライヤーを決定しないことにルノーが大きな不満を抱いている。
うわさによれば、レッドブルはホームレースとなる今季のF1第9戦オーストリアGPが開催される週末に来季からホンダにスイッチすることを発表することになりそうだと言われている。
ジュニアチームのトロロッソに搭載されたホンダPU(パワーユニット)の進歩状況を前戦F1カナダGPで確認したレッドブル首脳のヘルムート・マルコは1周あたりコンマ3秒の改善がなされていたと語るなど、状況的にはレッドブルとルノーの関係が今季で解消されることになる可能性が高くなってきていると考えられている。
だが、2007年からずっとレッドブルのエンジンパートナーを務めてきたルノーとしては来季以降もレッドブルへのPU供給を継続したいと考えており、自分たちのPUも十分な進歩を遂げていると主張している。
■ルノーPUも今季すでにコンマ3秒進歩
ルノーのエンジン担当テクニカルディレクターを務めるレミ・タファンは母国フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「メルボルン(開幕戦オーストラリアGP)以降コンマ3秒改善されている。そのうちコンマ1秒はバルセロナ(第5戦スペインGP)で導入された新たな燃料によるものだ」
「それはほぼ20馬力に等しいものだし、我々の期待値に合致している。我々はすでに次の進歩に取り組んでおり、それは夏のファクトリー閉鎖後に行われることになるだろう」
■レッドブルの猶予はあと数日だとアビテブール
一方、ルノーF1プロジェクトを率いるシリル・アビテブール(マネジングディレクター)は、もうこれ以上レッドブルの回答を待つわけにはいかないと主張している。
「我々は12年間にわたって良好な協力関係にあったことをかんがみ、最終期限を延長してきた」
スペインの『Marca(マルカ)』にそう語ったアビテブールは次のように続けている。
「モントリオール(第7戦カナダGP)で彼らは我々の新スペックとホンダのものを目にしたし、必要な情報はすべて手に入れている。私にはこれ以上決断を遅らせる理由は全く見当たらないよ」
「オーストリアでは、もう我々のオファーは期限切れとなる。だから彼らはホンダと交渉せざるを得なくなるだろう。我々のオファーを受け入れるのであれば今後数日の猶予しかないよ」
■現場に目を向けろとタファン
タファンも、レッドブルはルノーとともにこれまで長年にわたって築き上げてきたものに目を向けるべきだと主張している。
「現実に即して考えるべきだよ」
「我々は12年間一緒にやってきて多くのレースで勝利しF1タイトルもとってきた」
そう語ったタファンは次のように結んだ。
「常に誰かが何か言ったということが話題になるが、我々はミルトンキーンズ(レッドブルのファクトリー)にいる600人とヴィリー-シャティヨン(ルノーのエンジンファクトリー)にいる400人のことを忘れてはならないよ。彼らはみんなうまくやっている。だからそのことをこのゲームの中心に置くべきなんだ」