トロロッソの技術責任者が今年のホンダPU(パワーユニット)は十分にルノーと戦えるはずだと語った。
2015年にマクラーレンへのワークスPUサプライヤーとしてF1復帰を果たしたホンダだったが、以後3年にわたってマクラーレンが望んでいたような進歩を見せることができず、ついに昨年限りでその関係に終止符が打たれた。
しかし、ホンダPUからルノーPUに替えたマクラーレンにはバルセロナで行われているF1公式シーズン前テストでPUがらみのトラブルが多発し、今年も満足にテストができないという皮肉な状況を迎えている。
■トラブル多発のマクラーレンを横目に順調なトロロッソ・ホンダ
一方、マクラーレンとは逆にルノーからホンダにスイッチしたトロロッソにはPU関係のトラブルは発生せず、2回目のテスト初日であった6日(火)の午後にはブレーキ関係のトラブルが発生したものの、ここまでのところ順調にテストを遂行することができている。
実際のところ、ここまでに行われた5日間のシーズン前テストを見る限り、トロロッソ・ホンダのパッケージの信頼性は予想以上に高く、かつスピードもあると言える。
F1関係者の中には、昨年までパートナーであったマクラーレンはホンダに対して独自の要求をつきつけていたが、トロロッソの場合はほとんどホンダのPU開発に口を出すことがなく、逆にホンダの開発ペースを理解し、協力を惜しまないという姿勢をとっていることが現在のいい流れにつながっているのではないかと考えている者たちもいるようだ。
■ホンダに“自由”を与えようと努めるトロロッソ
トロロッソの技術責任者であるジェームス・キーは、イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』に次のように語っている。
「我々はホンダと仕事をしたいと思っていたんだ」
「我々のチーム代表は彼らのことをよく知っているから彼らとは非常に友好な関係を築き、理解し合うことができるだろうと感じていた。ここまでのところ、その通りになっているよ」
「我々は彼らが本来のパフォーマンスレベルを取り戻すために必要とされる自由をホンダに与えようと努めているんだ」
「彼らもそれを喜んでいると私は思うよ」
■シーズン中盤までにはルノーと互角の戦いも可能に
キーはさらに次のように付け加え、ホンダPUのパワーはルノーと比べてもそん色のないレベルにまで到達していると主張している。
「こういう状態が続いていけば、今年の中盤までには彼ら(ホンダ)がルノーと戦えるようになると考えられない理由などないね」
日本のファンの中には、トロロッソ・ホンダがルノーPUを搭載するマクラーレンに勝つシーンを見たいと思っている者もいるだろうが、キーもその可能性は十分にあると考えているようだ。
■2019年もホンダと続けるトロロッソ
キーは最後に、シニアチームであるレッドブルが2019年からホンダPUを搭載するか否かにかかわらず、トロロッソとしては2019年もホンダと組むことになるのは間違いないと次のように語った。
「我々は別々に契約をしているんだ。もしレッドブルがそうするなら、それは我々に加えてということになるよ」