前テクニカルディレクターのジェームス・アリソンを始め、何人かの優秀な技術スタッフが離脱したフェラーリでは、それによってチームの技術部門が弱体化しているのではないかと言われている。
だが、会長のセルジオ・マルキオンネは、そんなことはないと主張している。
■有能な技術スタッフが相次いで離脱
2015年にシーズン3勝を挙げ、2016年にはさらに勢いを増すかと思われていたフェラーリだが、実際にはフェラーリにとって2016年は一歩後退を余儀なくされるシーズンとなってしまった。
2016年シーズン開幕前にはF1タイトル奪取という目標を口にしていたマルキオンネだが、さすがに2017年シーズンに向けてそうした大口をたたくことはできない状態となっているようだ。
アリソンが昨年7月に離脱したのを始め、空力責任者であったディルク・デ・ビアもフェラーリを離脱し、ウィリアムズへ移籍したことも明らかになっている。そしてアリソンは最大のライバルであるメルセデスAMGに、技術トップだったパディ・ロウの後任として3月から着任することになっている。
■技術者の離脱は大きい問題ではないとマルキオンネ
だが、マルキオンネはドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「8月以降、我々の仕事のやり方は変わったよ」
「今では自分たちの金と人材を正しいエリアにつぎこんでいるよ。失いたくなかった何人かの人材を失ってしまったのは事実だ。だが、そんなことはどんなチームにでも起こることだ」
マルキオンネが言った8月とは、7月にアリソンが離脱したことを受けてそれまでパワーユニット開発責任者であったマッティア・ビノットを技術トップに据えた時期のことだ。
■内部体制の見直しで難局乗り切りを図るフェラーリ
だが、フェラーリでは外部から有能な人材を獲得しようという動きには出ず、チーム内の人材を再配置することでこの難局を乗り切ろうとしている。
マルキオンネは、次のように締めくくっている。
「我々には必要なものはそろっているし、自分たちの問題を解決するためのスーパーヒーローなど必要としていないよ」