レッドブルの最高技術責任者であり、天才F1カー設計者との呼び声も高いエイドリアン・ニューイが、2017年にF1が導入を計画しているルール変更計画に関し、F1の魅力を増すためにはそれでも不十分だと考えていることを認めた。
特に空力処理に関しては右に出るものがいないと言われたニューイだが、シャシーに関するルールが厳格化されるとともにエンジンパワーが大きく物を言う状況となった現在のF1に嫌気が差したことでF1の第一線からは退いた形となっている。
ニューイは、アブダビのローカル紙である『The National(ナショナル)』に次のように語った。
「F1は、大きなプレッシャーがかかるところだ。それを何年も続けていれば疲れ果ててしまうよ」
「だから、私は少し休養を取る必要があると感じたし、現時点では少し後方に退いている」
だが、2017年から2018年にかけてF1のルールが大きく変わることにより、再びニューイのF1への興味が復活するのではないかと言われている。新ルールのもとではF1カーのスピードがさらに高められ、現在のエンジンに関する問題についても改善が行われることになっている。
ニューイも、エンジンに関する現在の状況が最大の問題だと次のように続けた。
「何よりも、仮にメルセデスかフェラーリのエンジンを選択したとしても、顧客チームは彼らと同じエンジンは手に入れることができないんだ。ソフトウエアだって違うしね」
「だから、現時点で我々が置かれているのは、メルセデスのワークスチームか、あるいはフェラーリのワークスチームだけがタイトルを手にすることやレースに勝つことができるという状態なんだ。エンジンによって決まってしまうわけだからね」
ニューイの強みはシャシー設計と空力処理にあることは誰もが知るところだ。そしてF1では2017年以降に向けてシャシーに関するルールも大きく変更されることになっている。
だが、ニューイはその新しいルールでも十分と言うにはほど遠いものだと次のように続けた。
「レギュレーションが変更されれば、何か違うことをやるチャンスが生まれる。だが、今2017年に向けて話が出ているレギュレーション変更の内容を見れば、実際には現在のものとそれほど違わないよ」
「わずかにタイヤの幅が広くなる。空力のレギュレーションもわずかに見直される。だが、根本的な違いはないんだ」とニューイは付け加えた。