人気減少傾向からの脱却を目指すF1では、2017年もしくは2018年からF1カーのスピードアップを図ろうという動きが出てきている。
だが、現時点で表に出てきている計画によれば、F1カーのダウンフォースを増すことにより、ラップタイムをさらに縮めることを目指すものとなっている。
■ダウンフォースによるスピードアップはF1改善にはつながらない
これにかみついたのが、2015年に自身3度目のF1タイトルを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)だ。
「それって最悪のアイデアだし、何を解決しようとしているのかということを誰も分かっていないってことを示すものだよ」
そう語ったハミルトンは、F1が抱える最大の問題は、ライバルたちに食い下がり、追い抜きをすることが非常に難しいことだと考えている。
そして、かつて4度F1タイトルを獲得した伝説的元F1ドライバーであるアラン・プロストも同様の意見を持っているようだ。
■重要なのはメカニカルグリップだとプロスト
ドイツの『Bild(ビルト)』から現在のF1レギュレーションに関する質問を受けたプロストは、「もっと面白くできるはずだ。私ならいくつかのことを変えるだろうね」と答え、次のように続けた。
「もっとパワーがあり、もっとメカニカルグリップのあるクルマが見たいものだ。タイヤはもっと幅の広いものにするべきだし、空力があまり大きな役割を担わないようにするべきだよ」
「実際のところ、それは、現在計画されているものとは正反対だがね」とプロストは笑いながら付け加えた。
■現在のF1の問題は?
ほかにはどういうところを変えるべきだと思うかと質問されたプロストは、次のように続けた。
「ドライバーはあまりサポートを受けるべきではないね。だからピットとの(無線による)コミュニケーションはかなり制限されるべきだよ」
2016年からフルワークス体制を復活させるルノー(現ロータス)において重要な役割を担うことになると考えられている60歳のプロストは、最後に次のように付け加えている。
「F1での大きな問題は、全体としての大きな問題に取り組まなくてはならないときに、特定の問題(ルール)ばかりをいじくりまわしていることだ」