今季のF1レースも、あと4戦を残すだけとなった。
先週末にソチで行われたF1ロシアGPで2位となったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグがリタイアしノーポイントに終わったことで、トップのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)に66ポイント差のランキング2番手に浮上した。
だが、数字上はまだチャンスが残されているとはいえ、ベッテルとフェラーリが今季のF1タイトルを獲得するには奇跡が必要だというのが事実だろう。
すでにロシアで今季のコンストラクターズタイトルを確定したメルセデスAMGだが、ハミルトンも次戦アメリカGP(25日決勝)で通算3度目のドライバーズタイトル獲得を決定する可能性が高くなっている。
フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネも、「数字的にはベッテルにタイトル獲得のチャンスが残されているとはいえ、普通に考えればそれはありえないよ」と認めている。
そのアリバベーネは、2016年シーズン以降にはタイトルを狙えるチームとなるかとの質問を受けると次のように答えた。
「その質問にはよろこんでお答えするよ。私は今チーム内でこう言っているんだ。“我々は2015年のために取り組んでいるチームだけではない。我々は小さなチームの集合体なのだ”とね」
「チーム内のほとんどの者は2016年型車に取り組んでいるし、2017年に向けた作業を行っているグループさえある。つまり、我々は将来に向けていい準備を進めているということだ」
もはやフェラーリが2016年以降に視線を向けていることは明らかだ。そして、オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催される次戦アメリカGPでは、フェラーリがあえてグリッド降格ペナルティー覚悟で今季5基目のエンジンを投入するのではないかとのうわさもある。それはもちろん来季用パワーユニットの試作品をテストするためだ。
その件についての質問を受けたアリバベーネは、ほほ笑みながら次のように答えた。
「オースティンで教えるよ」