ザウバーとフォース・インディアは、EU(欧州連合)に対し、F1の権力構造が競争法(日本の独占禁止法に相当)に抵触するとして正式に不服申し立ての手続きを行った。
利益配分が不公平であることや、ルールを一部のチームが決定していることなどが「カルテル」に当たるとして、小規模チームは長い間不満を訴えていた。
フォース・インディアは次のような声明を出したと『Motorsport.com』が伝えている。
「欧州連合に対して、F1の統括方法に疑問を呈し、収益の分配システムとF1のルールの決定方法、そのいずれもが不公平で違法であると提示した」
「法的手続きが進行中のため、現時点ではこれ以上のコメントは差し控える」
イギリスの『Times(タイムズ)』紙によると、ザウバーとフォース・インディアは、F1のオーナーや権利者のみならず、トップチームも競争法に違反しているとして訴えたという。
『Times(タイムズ)』のケビン・イーソン記者は、次のように伝えている。
「EUが調査に乗り出すかどうか決定するのに数週間かかる可能性もある」
「しかし、FIFA(国際サッカー連盟)のスキャンダルがあったあとだけに、ブリュッセル(EU本部)ではこのスポーツの浄化に同意するムードが高まっていると言われている」
この告訴によって、争点となっているトップチームへの「特別ボーナス」の支払いをF1最高責任者のバーニー・エクレストンが停止せざるを得なくなったり、フェラーリが計画しているニューヨーク証券取引所への株式上場が延期されたりする可能性もあると見られている。