現在、悲惨とも言えるスランプ状態を過ごしている名門マクラーレンだが、そうした状況がチームの財政状態にも大きな影響を及ぼしていることは確かだ。
現在のチーム別ランキングは、全10チーム中9番手という状況であり、このままの順位で今シーズンを終えることになれば、順位ごとに定められたF1公式賞金の額は激減してしまうことになる。
また、2013年まで長年タイトルスポンサーを務めていたボーダフォンと決別して以来、マクラーレンにはいまだにタイトルスポンサーがついておらず、現在の成績不振もあって、スポンサー獲得がさらに困難な状況となっているものと考えられている。
さらに、現時点においてはフェルナンド・アロンソに対して現役F1ドライバー中最高の報酬を支払っていると考えられているマクラーレンだが、2009年のF1チャンピオンであるチームメートのジェンソン・バトンの報酬も決して低いものではない。
現在のマクラーレンにとって、そうしたドライバーへの高額な報酬も大きな負担となってきているようだ。
チームとしても本人としても2016年の残留を希望していると言われるバトンだが、来季もマクラーレン・ホンダにとどまりたいと思えば、本来であれば来季に予定されている400万ユーロ(約5億4,000万円)の報酬アップを先延ばしにすることに合意するしかない状況だと言われている。
F1シンガポールGPが開催されたマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットにおいて、現在のチームの財政状況に関する質問を受けたマクラーレンのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)は次のように答えた。
「完全な保証を行うことはできないが、我々が近いうちにいくつかの(新スポンサーに関する)声明を出すことになるのは99.9%確かだよ」
「我々にとって通常の位置でシーズンを終えることができなければ、FOM(F1の商業権を管理するフォーミュラ・ワン・マネジメント)から支給される金(F1賞金)は少なくなるだろうし、我々としてもこれを補う手段を講じていくしかないからね」