フェラーリのシートを喪失する危機にあると言われているキミ・ライコネンだが、先週末に行われたF1ハンガリーGP(第10戦)では、チームメートのセバスチャン・ベッテルとともに好スタートを決め、一時はフェラーリの1-2フィニッシュがほぼ確実だと思わせる好走を見せていた。
ハンガリーGPが、ライコネンが来季もフェラーリに残留できるかどうか、それにふさわしいパフォーマンスを発揮してみせる最後のチャンスになるだろうと報じていたメディアもあったが、今回のライコネンのパフォーマンスは、フェラーリ残留を決定づけるにふさわしいものだったとの声があがっている。
ライコネン本人も、自分に責任のないマシントラブルでリタイアに終わったものの、久々に存在感を示すことができたハンガロリンクでの走りには満足しているかもしれない。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』のベテラン記者であるピノ・アリエヴィは、「これこそ、フェラーリとティフォシ(熱狂的フェラーリファン)が望んでいたキミだ」と書き、ハンガロリンクでのライコネンの走りを称賛している。
元F1ドライバーであり、ライコネンやボッタスと同じフィンランド出身のミカ・サロも、母国のテレビ局『MTV3』に対し、ライコネンがハンガリーでの週末を通じて競争力の高さを示したことで、「これでキミがフェラーリにとどまることになると思うよ」と主張。
だが、イタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』などは、フェラーリはすでにウィリアムズからバルテリ・ボッタスを買い取る契約を結んでしまっていると主張している。
ハンガリーGP決勝では13位と、あまりいいところのなかったボッタスだが、夏休みに入り、F1記者たちとの接触が減り、こうしたうわさに関する質問を受ける機会が減ることを喜んでいるようだ。
ボッタスは、ほほ笑みを浮かべながら次のように語った。
「しばらく、フィンランドの森の中に隠れることになると思うよ」