メルセデスAMGのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのチャンピオン争いが激しさを増してきた。
F1第8戦オーストリアGPの予選でポールを獲得したのはハミルトンだった。だが、ロズベルグはスタートで逆転すると、そのままトップを譲ることなく優勝し、ハミルトンとの差を10ポイントにまで縮めた。
■鍵はクラッチセッティングの変更
スタートの鍵を握ったのはクラッチのセッティングだったとロズベルグが『Motorsport.com』に語っている。記事によると、メルセデスAMGは第5戦スペインGPからスタート時のクラッチセッティングを変更したという。以来4戦でロズベルグが3勝を挙げている。
「僕たちはクラッチなどあらゆるものを開発している」とロズベルグ。
「今では大幅に良くなった。より安定している。だから最近の4戦は素晴らしいスタートが多くなった」
一方、ハミルトンはクラッチに不満のようだ。
「クラッチを離したのに、十分に作動しなかった」
「これはバルセロナ以降続いている。それ以前のほうがいいスタートができた」
だが、メルセデスAMGのチーム代表トト・ヴォルフは、ハミルトンの好みに反する変更をした訳ではないと話している。
「こうした変更は、ルイスも含め、一緒に決めたものだ」というヴォルフの言葉を『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』が伝えている。
■ピットインでも激しく攻めた2人
ハミルトンは、タイヤ交換したあとのピット出口で白線を踏み越え、5秒加算のペナルティーを受けた。ロズベルグも速度規制が始まるピットレーン入り口手前でタイヤをロックさせている。
ヴォルフは、これは2人が激しく攻めた結果だと『Motorsport.com』に話している。
「ピットイン後のラップで彼(ハミルトン)が本当に激しく攻めていたことが分かる。ニコがタイヤをロックさせたようにね」
「チームメートを抜く唯一のチャンスと分かっているのだから、リスクを取る必要がある。ピットに入るときだけでなく出るときも同様だ」
「2人は間違いなく相手を倒すために限界で攻めている」
■自信を深めるロズベルグ
最近の好調でハミルトンを「不安」にさせていると思うか聞かれたロズベルグは、『Bild(ビルト)』にこう語っている。
「僕が彼を不安にさせているのだとしたら、いいことだね」
「ピットレーン出口で彼が白線を超えたおかげで、僕は少し楽になった。普段より楽に勝利が手に入ったよ。プレッシャーがなかったから」
「この4戦で3勝しているんだから信じられない」
「シルバーストン(イギリスGP/7月5日決勝)が待ちきれないよ。ルイスまであと10ポイントだけだ!」