最近、フェラーリがレッドブルへエンジンを供給してもよいと考えていることが報じられている。だが、メルセデスにはそのつもりはないようだ。
F1オーストリアGP(第8戦)が開催された先週末、フェラーリのセルジオ・マルキオンネ会長は、現在ルノーエンジンに手を焼いているレッドブルに対し、エンジン供給を申し出たことを明らかにしていた。
だが、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであり、親会社メルセデスのモータースポーツ責任者でもあるトト・ヴォルフは、『APA通信』に次のように語った。
「我々は今でもフル回転なんだよ」
実際のところ、メルセデスでは自らのワークスチームであるメルセデスAMG以外にも、ウィリアムズ、フォース・インディア、そしてロータスという3つの顧客チームを抱えている。
「自分たちも含めて4チームというのはこれが最大限だ。だから、現時点では我々はこの状態に満足しているよ」
だが、メルセデスとしては単純にレッドブルの手助けをするようなまねはしたくないと考えていると見た方が正解だろう。2010年から2013年まで4年連続でF1タイトルを独占してきたレッドブルが現在最強のメルセデスエンジンを得ることで再び調子を取り戻すようなことがあれば、自分たちの首を絞めるようなことになってしまうからだ。
「(エンジン供給を拒む)理由はいろいろあるよ」とヴォルフも認めている。