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これでいいのか?現在のF1

2015年03月31日(火)18:36 pm

現在のF1のあり方について、疑問の声が日増しに強くなっているようだ。

メルセデス・ベンツの前モータースポーツ責任者であったノルベルト・ハウグは、歴史あるF1ドイツGPが今年は開催されなくなったことに嘆きの声をあげている。

F1最高責任者であるバーニー・エクレストンは、ドイツGP開催に向けてニュルブルクリンクとホッケンハイムの両サーキットと交渉を行っていたが、そこでネックとなったのが「金」の問題だったと認めている。

■これは深刻な問題だとハウグ

ドイツ国内でF1レースが開催されないのは、1960年以来のこととなる。

「それはドイツの自動車産業にとって喜ばしいことではない」

ドイツの放送局『Sudwestrundfunk(ズートベストルントフンク)』にそう語ったハウグは次のように続けた。

「ドイツはF1の国なんだ。それはレースが開催されていたからというだけではない。これは深刻な事態だ」

■F1王国ドイツで進むモータースポーツばなれ

かつて7度F1チャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハを輩出したドイツだが、現在も4度F1タイトルを獲得したセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)の3人の現役ドライバーが活躍し、昨年はメルセデスAMGがタイトルを獲得している。

ハウグは、ドイツGPが開催されなくなった責任の一部はレース主催者側にあるとしながらも、この問題については現在のF1全体にも責任があると次のように続けた。

「サッカーはうまくやっているよ。スタジアムは観客で満員だ。モータースポーツも客を満足させるために何かアイデアを出さなくてはならない」

■マレーシアも現在のF1に不安と不満

マレーシアGPを開催しているセパン・インターナショナル・サーキットではこのほど2018年まで3年間の開催延長契約を結んだと報じられている。だが、これまでの契約は5年間ごとに結ばれていた。今回マレーシアが契約期間を3年としたのは、今後のF1の動向に不安を感じているためではないかとささやかれている。

セパン・インターナショナル・サーキットの代表であるラズラン・ラザリは、『AFP通信』に対し、マノー・マルシャの現状を見てもそうした不安を感じないわけにはいかないと主張している。

昨年経営破たんに陥りながら、新出資者の登場でなんとか今季の参戦復帰にこぎつけたマノー・マルシャ。しかし、開幕戦のオーストラリアGPではエンジンに点火することさえできず、初めて出走したマレーシアでは正式に予選を突破することもできずに終わっていた。

「これはF1をばかにするものだと私は思っている」とラザリは語った。

■F1は自身を深く考察すべきだとフォース・インディア

開幕戦が行われたオーストラリアのメルボルンでは、ザウバーとギド・ヴァン・デル・ガルデの間で契約問題での法廷闘争が繰り広げられたことも記憶に新しいが、現在のF1の構造においては、小規模チームの運営予算が非常にひっ迫したものとなっているのも事実だ。

やはり財政的に非常に厳しい立場に置かれていることが知られているフォース・インディアのロバート・ファーンリー(チーム副代表)は、F1は自分自身について「非常に深い考察」を行い、「ファン、チーム、テレビ、メディアなど、関係するものすべてが抱える不安に対してきちんと対応していく必要がある」と語り、次のように付け加えた。

「現時点において、我々がそのことに関していい仕事ができているとは思えないよ」

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