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メルセデスAMGに追いつくことは「不可能」だとレッドブル首脳

2015年03月31日(火)19:51 pm

レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、2015年シーズンにレッドブルがメルセデスAMGに追いつくことは難しいと考えていることを認めた。

今季のF1開幕戦オーストラリアGPをふがいない結果で終えたレッドブルは、F1の技術規則に「平等化」という概念が導入されなければ撤退もありうると示唆。その時点では、今年もメルセデスAMGの牙城を崩すことはどのチームにとってもほとんど不可能ではないかと考えられており、レッドブルでは、どのチームもメルセデスAMGに勝つことはできないだろうと主張していた。

だが、続く第2戦マレーシアGPでは、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが早くもメルセデスAMGの連勝を阻止し、驚きの優勝を達成した。

この結果を受け、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、「これによって意味のない平等化の話題が消えてくれることを期待しているよ」とのコメントを行っている。

■フェラーリは改善したがルノーは無理?

だがマルコは、フェラーリではオフシーズンを利用してメルセデスAMGとの差を確実に縮めてきているものの、レッドブルにエンジンを供給するルノーに同じことができるとは思えないと『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。

「現在のメルセデスに追いつくのは不可能だ」

マルコは、フェラーリのほうがルノーよりも「いい仕事をした」と主張し、「我々も機能するエンジンを必要としている」とルノーに対する批判的コメントを行っている。

もうあきらめムードさえ感じられるマルコのコメントだが、批判の対象とされているルノーでさえ、まだ2015年シーズンをあきらめたわけではないと主張している。

■自分たちはあきらめないとルノー

「ここ何か月かの間にフェラーリが素晴らしい仕事をしてきた」

ルノーのF1エンジンプロジェクトを率いるシリル・アビテブールは、ブラジルの『Agencia Estado(アジェンシア・エスタード)』にそう語ると、次のように続けた。

「それは、メルセデスAMGも打ち負かすことができるということを示すものだ。我々も自分たちの仕事に集中しなくてはならないし、勝負に臨み、サーキットで走るたびに改善を続けていく必要がある」

アビテブールは、次のように付け加えた。

「リーダーに周回遅れにされてしまうことを目指しているわけではない。だが、今我々は非常に明確な目標を持っている」

■ドイツ誌はトロロッソのほうがレッドブルより上だと指摘

だが、マレーシアGP決勝ではすべてのルノーエンジン搭載車がベッテルに周回遅れにされたわけではなかった。レッドブルのジュニアチームであるトロロッソからデビューした17歳の新鋭マックス・フェルスタッペンは、周回遅れになることなく7位でゴールし、F1史上最年少ポイント獲得という記録を打ち立てている。

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、その理由は明らかだと指摘している。それは、トロロッソの今季型車STR10のほうが、天才F1カー設計者と称されるエイドリアン・ニューイ(レッドブル/最高技術責任者)の手になるRB11より優れているからに過ぎないというわけだ。

だが、レッドブルがマレーシアGPではブレーキやタイヤに問題を抱えていたことは事実だ。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、「(タイヤの)性能低下は非常に大きかった」とレース後に認めていた。

■開発が遅れたレッドブルRB11

レッドブルが抱えている問題の一部は、空力パーツの開発が遅れていることだと考えられている。それは新たに導入したショートノーズがF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)によって義務付けられたクラッシュテストになかなか合格できなかったことによるものだという。

「新しいパーツさえ仕上がれば、我々も大きく進歩するだろう」とマルコ。

だが、マルコも、それだけでは十分ではないと次のように続けた。

「ばかげたトークン制度があるから、我々が今シーズン中に追いつくことは不可能だ」

トークンとはエンジンのパフォーマンス向上に関する開発を行うときに用いる引換券のようなものだ。各エンジンメーカーは、このトークンの数に応じた開発を行うことが認められている。マルコに言わせれば、この制度がある限り、ルノーがメルセデスに追いつくことなどできないというわけだ。

■フェラーリの躍進を予想するマルコ

そればかりではない。マルコは、フェラーリがメルセデスAMGの最大のライバルとして今後も力を発揮し続けるのではないかとの不安を抱いている。

昨年はメルセデスAMG以外のチームでは唯一ダニエル・リカルドが3勝を挙げ、コンストラクターズランキングの2位を確保していたレッドブル。だが、今季は下手をするとその順位を大きく下げる可能性も出てきている。ちなみに、第2戦を終えた時点でのチーム別ランキングではレッドブルは現在6番手に沈んでいる。

「私が入手した情報によれば、フェラーリはカナダに改良パッケージを施したエンジンを持ち込むようだ」

モントリオールで開催される第7戦カナダGP(6月7日決勝)に言及したマルコは、『Bild(ビルト)』に次のように付け加えた。

「そうしたら、彼らはメルセデスAMGに匹敵するレベルに到達するかもしれないし、あるいはそれを上回るかもしれない」

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