F1が定めている燃料流量制限ルールに、また新たな論争が巻き起こるかもしれない。
1年前の2014年開幕戦オーストラリアGPで、2位でチェッカーを受けたレッドブルのダニエル・リカルドが、その後規定を超える燃料をV6パワーに供給していたとして失格処分となっていた。レッドブルはその判定を不服だとして控訴していたが、結局敗訴に終わった。
そして、今年もまたその「燃料流量問題」が再び論争を呼びそうな状況となっているようだ。
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がF1チームに対し、第3戦中国GP(4月12日決勝)から有効となる新たな技術的指導通達を出したとイタリアのメディアが報じている。
これまで、FIAは1時間あたり最大100kgと定められている燃料流量に関し、標準的な流量センサーを用いてそれを監視していた。
だが、今後FIAでは、燃料システムのほかの部分においても圧力をチェックしようと考えているようだ。
伝えられるところによれば、FIAではいくつかのチームやエンジンメーカーは、流量メーターの数値は決して1時間あたり100kgという数値を超えないようにしながら、ほかの部分において燃料流量を増加させる手段を見つけ出したのではないかとの疑いをもっているという。
イタリアの『Omnicorse(オムニコルセ)』は、こうしたトリックを用いたことでメルセデスとフェラーリのエンジンが今年大きな進歩を見せた可能性もあると示唆している。
メルセデスやフェラーリでは、ターボシステムを最大500バールの圧力に耐えうるものへと改良してきているが、それによってそうしたトリックもやりやすくなったのではないかというのだ。
一方、今季も厳しいスタートを迎えることになったルノーエンジンでは、まだ250バールの圧力しか出せていないという。
『Omnicorse(オムニコルセ)』はさらに、開幕戦オーストラリアGPでは信頼性の問題から出力を大幅に下げたとされるホンダのパワーユニットに関しては、メルセデスやフェラーリと同様に最大500バールの圧力をかけることが可能な設計となっているようだと指摘している。