エンジン開発「凍結」の規則により2014年からV6ターボを投入したメルセデス、ルノー、フェラーリの各社は、昨シーズン終了後、全体の48パーセントまでの改良が許された。
ところがホモロゲーション(認定)規則がやや緩やかになった関係でエンジン開発は事実上「凍結解除」され、またも議論を呼んだ。
2014年にエンジンを供給した上記三社は、次のシーズンが開幕してからもエンジンをアップデートできる規則の抜け穴を発見。新規参入のホンダも同じ待遇を求めてプッシュした。
結局FIA(国際自動車連盟)が折れて、今年からマクラーレンと組むホンダも開幕戦オーストラリアGP以降も開発を続けられるようになった。ただし条件がある。開幕後にメルセデス、ルノー、フェラーリの手に残った開発トークンを足して三で割った数がホンダにもあてがわれるのだ。
しかし、ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌が3日(火)に伝えたところによると、マクラーレンのロン・デニスはそれでも満足していないという。
デニスは、メルセデス、ルノー、フェラーリの手持ちで最高の枚数がホンダにも与えられてしかるべきと主張しているのだ。
例えば、仮にメルセデスはメルボルンで10枚のトークンが残ったとする。これに対してルノーが8、フェラーリが6なら、デニスの考えでは、ホンダは平均値の8枚ではなくメルセデスと同じ10枚が認められなければならない。
同誌のミハエル・シュミット記者は、5日(木)にフランス・パリで予定されている、F1の今後を考える戦略グループの会合でデニスは問題を取り上げるつもりだとしている。
「きっと彼は抵抗にあうだろう」とシュミット記者。「特にフェラーリには」
ところで、最初の冬季テストが行われているスペイン・ヘレスで、その改良をされた2015年仕様V6ターボの音を聴くと、ボリュームが昨年よりアップしているのに気づく。
シュミット記者は次のように指摘する。「しかも、音色は芝刈り機のそれより本物のレーシングエンジンに近い」
メルセデスのエンジン開発主任アンディ・コーウェルはいう。「理由は分からない。決して音を大きくするつもりはなかった」
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌では、単なる性能向上のため、エグゾースト長を変更したからではないかと推測している。