最近のジャン-エリック・ベルニュ(トロロッソ)は、F1キャリアの将来について急に自信をつけたように見える。
セバスチャン・ベッテルが今季限りでレッドブルを辞めるという衝撃の決断を下したのは、先月のことだった。それ以前のベルニュにとって、F1残留は絶望的だった。
レッドブルの姉妹チーム、トロロッソは、2015年のラインアップをダニール・クビアトとマックス・フェルスタッペンの二人で固めたからだ。
ところが、ベッテルの脱退宣言ですべてが変わった。クビアトがレッドブルの空席を埋めることになり、こんどはトロロッソのコックピットにひとつ空きができたのだ。
そのシートから最短の位置にいるのは、今季フォーミュラ・ルノー3.5シリーズを制した若手育成プログラムの出世頭、カルロス・サインツJr.のはずだった。しかし、ひとつの懸念が生じる。まだ17才のフェルスタッペンと同じく若いサインツJr.の両ルーキーが組んだら、果たしてトロロッソは大丈夫なのか。
チーム代表のフランツ・トストは、「個人的な意見」ながらベルニュをキープしたいという。フェルスタッペンも、自分の横に同じ新人が並ぶより、むしろベルニュのような経験者がいるほうが「ありがたい」といった考えだ。
そしてレッドブル社主ディートリッヒ・マテシッツも最近、次のように語った。「(トロロッソには)非常に若いルーキーがいる。だったら経験豊かなドライバーと組ませるほうがよいとの意見は、しごくもっともだ」
24才のベルニュにとって、今の状況は非常に心強いはずだ。
「まだ何も決まっていない」と、フランス『Le Figaro(フィガロ)』紙に語るベルニュ。「でも、そんなに心配はしていない。僕は2015年もF1に乗る」
彼にとっての「第一候補」は、やはりトロロッソ残留だ。